風待-SDSC

2020年10月11日 (日)

Kazemachi 09 トップブレイスを作る

これで音が決まってしまうと言っても過言ではないトップブレイスを作りましょう。

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ぼくが作るアコギはオーソドックスにXブレイスです。

このXでトップ板を4つに仕切るわけですが、その角度によってほぼ方向性が決まります。

だから作り手としては1°足りとも角度をずらす訳にはいきません。

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ゴーバークランプでしっかり接着していきます。

細かな削り込みは接着完了後にやっていきます。

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要所要所で立体交差させ、仕切りきらないことで生まれるオープンな鳴りが弊工房製KazemachiやAkanesoraの特徴です。

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他メーカーのAフレームに似ていますが、ここでも立体交差。

ボディアッパー部分も鳴りに参加させるためです。

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スキャロップされた6弦側Xブレイスの上をまたぐフィンガーブレイスです。

ミニXとも言えるこの部分は、和音がダマになるのを防ぎ、程よい分離感を作り出しています。

量感のある低音を鳴らしながらも、低音弦の強い張力に耐える役割も担っているすごいやつです。

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できました。

ぼくとオーダー主さんのサインも下の方に入っています。

ブレイシングの木の色が2色はっきりあるのがわかると思いますが、これはKazemachi 08を作ったときと同様、2種類の材を使い分けているからです。

ルッツスプルースとウェスタンレッドシダーとの合わせ技。

全体のタッピングトーンも大合格。

いい音のするギターになりそうです!(^_^)v

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2020年9月15日 (火)

Kazemachi 09 サイドとバックの接着

この時期になってようやく作業が進んでる感が出てきたKazemachi 09の続きです。

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クランプ総動員でサイドとバックを押え込んでいます。

接着開始!

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おー、接着完了です。

ここはとてもオーソドックスというかシンプルな作りに見えると思いますが、バックのラダーブレイスは全て太さを変えていたりします。

また、エンドブロックの接着面を斜めに削り落としてライニングと同じ幅にしてあったりします。

これはトップがフリーで振動する面を少しでも多く確保するための工夫です。

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もちろんバックとの接着部も同じような工夫をしていますが、こういうセンター補強材とつながるような抉り方は他ではなかなか見られないと思います。

位置ずれもなく、ビタッときていると気持ちいいですね。(^^)

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ここで内部を塗装しました。

セラックニスを使っています。

アコギではあまり胴内塗装をしている例は見られませんが、製作家の作品では取り入れている方も少なくありません。

理由は様々でしょうが、ぼくの場合は湿気対策とかそういうことよりも、材の疎の部分を埋めて、音の内部反射を高めるために行ってます。

これだけで程よく高まるので、逆にトップ裏には施しません。

その辺は、音をどうまとめたいかによってそれぞれ違いが出てくるところでしょう。

Resonance Guitarsサウンドの秘密の1つです。

つづく。

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2020年9月 9日 (水)

Kazemachi 09 サイド作業からバックブレースへ

今年のギター製作の仕事は、悪天候続きでかなりペースダウンさせられています。

特に6月後半から7月にかけてひどかったです。

久々にKazemachi 09の記事を書きますが、少し進めるのに何日もかかっていますので念のため。

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曲げてあった左右のサイド板をエンドブロックで合体させました。

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続いてジョイントブロックも接着です。

これでサイド板がぐるっと輪になった状態でつながったわけです。

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ライニングを接着していきます。

トップやバック板を接着するときの補強、のりしろのような役目をします。

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割れ止めが取り付けられているのがわかるでしょうか。

ここまで来たら、トップやバック板が取り付けられるように平滑にしていきます。

これは大変重要な作業で、ただ平らにするのではなくて、トップ、バックに設定しているドーミングRに合せてサンディングしていく精密な作業になります。

ぜーぜー汗をかきながらでしたが、うまくできました。

これでサイド作業は一区切りついたわけです。

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まずバック板から接着していくのがぼくの手順です。

接ぎ合せしてあったバック材にセンター補強材を接着していきます。

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続いてバックブレイスを接着していきましょう。

これらの作業はあらかじめやって置いておけばと思ったこともあるのですが、長期間箱にせず放置しておくとせっかくブレイシングにつけてあったRによってドーミングされていたバック板が、あらぬ方向へ反ってしまうことがあるので、必ずサイドの木工が終わってからやることにしています。

木はやはり自然が生み出した生き物なので、人が考える作業効率だけではうまくいかないこともたくさんあるのですね。

幸いオーダー主さんは、天候も含めてそういうこともよく理解してくださる方です。

待っていてください、きっといいものにします。(^^♪

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2020年4月11日 (土)

カタロックスはカタいけど

Kazemachi 08を作ったとき、サイド&バック材に選んだカタロックスの硬さに手こずって、カッタウェイの部分の曲げで失敗しました。

なんとか補修して完成させましたが、今回の09も同じカタロックス、しかもオーダー品です。

しっかり硬さ対策をして臨みました。

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ベンディングアイロンで曲げている最中は、なかなか画像を撮っている余裕がなかったりします。

  1. 深い曲げの部分は、曲げる前に厚み調整をし直しておく。
  2. とにかく時間をかけて段階的に曲げる。
  3. 手だけに頼らず、ベンディングアイロンに型枠とともに直接クランピングする。

という3つの作戦でやりました。

1つ1つは今までも適宜取り入れてきたやり方ですが、今回は総動員、おかげで08よりうんとうまく曲げることができました。(^_^)v

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通常、曲げた後はモールドに入れてずっとクランプしておくことの方が多いかもしれませんが、ぼくはクランプしている段階のときにバーナーで焼くなどして、モールドの形状通りに曲げ切ってしまうので、冷めたらこのように外してしまっても大丈夫です。

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こんなふうにパッと取り出してもバネみたいにビヨーンと伸びたりしません。

どうせモールドに入れながら作業していくんだから無駄な努力だと思う人もいるかもしれません。

しかし、応力の働いているところは、もとの形状に戻ろうとして常に力が入っている状態ですから、振動に対して素直にレスポンスしません。

モールドの形状ピッタリに曲げ切るというのは、確かにとても面倒な作業かもしれませんが、ぼくはボディが一体となってレスポンスしてくる楽器を目指しているので、一貫してこだわりたい部分なのです。

もちろん他にも様々な考え方があって、様々な作り方の作法があるというのを一応分かっていての選択ということで。(笑)

ただ、オーダーを受けて1本ずつ作らせてもらうからには、こんなところにも多くの一般製品とは違いがあるんだということが分かってもらえたら幸いなのです。

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2020年4月 3日 (金)

製作に入ってますKazemachi 09!

昨年のTOKYOハンクラ2019に出展したKazemachi 08を試奏して、うれしいことに08のスペックを踏襲した09のオーダーをしてくれるお客様が現れました。

う~む、ぼくの中ではかなりの事件なのです。

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トップは、AAAAのルッツスプルース。

通常、AAAが最高級ですから、AAAAとなると極上です。

厚み調整をしてセンターで接ぎ合せ、サウンドホールロゼッタを作ります。

赤い縁取りに黒蝶貝は、オーダー主さんの要望です。

貝は、1つずつピースを切り出してはめ込んでいきますが、なかなかに骨の折れる作業です。

結構日数がかかってしまいました。(^_^;)

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やっと全部はめ込めたので、接着を確実に行い、砥ぎ出します。

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はい、きれいにできました。

メキシコ貝や白蝶貝と比べても、かなり渋い感じですが、逆にたった1リングでも重厚感があります。

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バック材の方も接ぎ合せてあったので、ボディ外形を切り出しました。

これでトップとバックの準備完了です。

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バック材は、センターサップ入りのカタロックス。

グレー、赤茶、こげ茶の縞がとても美しい個体です。

タップトーンも08のそれに全く引けを取りません。

Kazemachi 09、いい感じで製作のスタートを切っております。

(^_^)v

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2019年5月12日 (日)

参考出品 Kazemachi 08 Capricorn 製作⑦

ピックガードを作成しましょう。

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久々にレジンの登場です。
展示会用に当初からこっそり作ってきたギターなので、ピックガードの色合いもぼくの好みですみません。
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まだ研磨する前の噴きっぱなし柚子肌ボディに仮置きしてみました。
カプリコーンのインレイに合わせて星雲のイメージと言えばいいでしょうか。
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ボディ研磨です。
#240~#1500まで5種を手磨きでやってます。
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さらにバフ3種で完了です。
いつものことですが、両腕筋肉痛です。(笑)
使っているニトロセルロースラッカーが硬いからなのですが、きっちり磨けると深~い光沢がほれぼれするような仕上がりとなります。
難あり参考出品と考えている1本ですが、いい加減にならず、丁寧に作ることができているので自分で自分を褒めています。(恥)
つづく。

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2019年3月24日 (日)

参考出品 Kazemachi 08 Capricorn 制作⑤

Kazemachi08は、ネック作業に入っています。
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トラスロッドです。
好みに応じてスチール製を使う場合もありますが、08はタツタさんに作っていただいているβチタンロッドでいきます。
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ロッドスロットに入れるとこんな感じです。
上端と下端はいつも少量のエポキシで止めています。Cimg94712
ロッドは画像のように木材で蓋をしますので、この時点で全体は見えなくなります。
ここから準備してあった指板やヘッドプレートを接着していきましょう。
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がっちりクランプしました。
しっかり乾燥するのを待ちます。
いい感じで進んでいますよ。(^^)

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2019年3月15日 (金)

参考出品 Kazemachi 08 Capricorn 制作④

花粉すごいですね。

いつもは症状軽いんだけど、今年はやられております。

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ボディトップにパーフリングを貼り込んでいます。

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ウッドバインディングは、あらかじめボディシェイプに曲げておきましょう。

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4本ともいい感じできれいに曲げられました。

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はい、貼り込み完了です。

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これでボディ木工はブリッジを残してほぼ完了です。

でもネックはまだまだこれから、、、、、。

間に合うかな?

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2019年3月 4日 (月)

参考出品 Kazemachi 08 Capricorn 制作③

Kazemachi 08は、完成が間に合えばTHGFでの参考出品とします。

どのみち販売できないものということで、試してみたかったことをいろいろやってみようということになりました。

今回は12Fインレイです。

ちなみにここからは今年になってからの作業です。

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いつものように自分で手描きしたものをもとに溝を彫りました。

Kazemachi 06の時と同様、11、13Fにまたがった大きめの12Fインレイです。

06では、オーダー主さんのアイデアで獅子座のシンボルマークを入れたのですが、それがぼくとしてはとても新鮮でした。

自分の星座でもやってみたかったので、今回は山羊座です。

「ん?山羊座ってこんなふうだっけ??」

と思われた方すみません。

どうも星座のシンボルマークの中で、最も形が定まってないのが山羊座だそうで、実際調べてみるといろんなパターンが見つかってしまいます。

「何か分からないものが出てきたら山羊座だと思えばいい。」

などというご無体な記述もありました。

ええい、だったら勝手に自分で都合のいいデザインにしてしまえ!

ってなことでこうなりました。

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いったんサイドポジションマークの作業に移って済ませておきました。

いつもより2まわりは大きいドットです。

あまり格好のいいものではないかもしれませんが、ライブでの視認性は格段に上がるだろうと思い、演奏ミスの多いぼくはやってみたかったのです。

実はこれ、新山詩織さん(現在活動休止中)のライブ機から学びました。

実際彼女は、現場でのミスが極めて少ないそうで、それは本人の努力によるものがほとんどだとは思いますが、機材へのちょっとした工夫にも現れているわけです。

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12Fインレイに戻って、どんどん貝を切り進めていきます。

一筆書き風の山羊座マークが4つのパーツから出来上がる寸法です。

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貝を切り、細部の成形ができたので、彫っておいた溝にはめて接着し、隙間にペーストを入れ込みました。

しっかり硬化するのを待ちましょう。

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はい、輪になったところにアバロンも入れ、完成しました。

どうでしょうか。

というわけで、Kazemachi 08は山羊座=Capricorn(カプリコーン)なのです。

つづく。

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2019年2月26日 (火)

参考出品 Kazemachi 08 Capricorn 制作②

THGF2019に参考出品したいと考えているKazemachi 08の続きです。

制作①では、Kataloxという自分にとって新しい材へのチャレンジについて書きました。

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接着したサイドとバックをいつものようにセラックニスで胴内塗装しました。

この作業の頃は、サイド板曲げを失敗しまくって凹む気持ちと、補修に時間がかかってやっとここまできたという疲れた気持ち、逆にこんなことぐらいで挫けてたまるかという気持ちがいろいろ入り混じって大変でした。

なかなか気持ちの整理がつかない中、それでも切り替えてトップブレースに進みます。

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画像に写っている2本のブレース、色が違うと思います。

市販されている多くのギターは、大抵シトカスプルースではないかと思います。

レゾナンス・ギターズでは、ウェスタンレッドシダーまたはアディロンダックスプルースを使っています。

これまで、この2種を1台のギターで混ぜて使ったことはなかったのですが、今回のKazemachi 08は、シダーブレースを基本に、トップのX部分だけアディロンを使います。

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もともとぼくは、シンプルでオーソドックス寄りなギター作りを指向しながらも、サウンドの核になる部分に関しては、トップブレースの材や構造の工夫で一気に自分のストライクゾーンへ引き込んでKazemachiやAkanesoraを作ってきましたから、今回の試行もその延長線上にあることは確かです。

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軽やかに豊かに響く印象のシダーブレースの中に、トルクフルで太く躍動する印象のアディロンが加わったらどうなるでしょう。

2本だけとはいえ、影響の大きいX部分ですから、どうなるかわからないけど楽しみです。

以上、この辺りまでが昨年の作業の様子でした。

現在、ボディは箱になっていますし、ネックの方にも取りかかっています。

次回は、そろそろネーミングにくっつけたCapricorn(カプリコーン)について書けたらいいなと思っています。

つづく。

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