エフェクター

2021年6月 1日 (火)

3石ファズってどうなの? ⑥

すっかり完成したSTORMY DRIVE FUZZの話です。

ぼくの暮らしているところはかなり田舎ではあるんですが、1人、2人、3人、、、と試奏してくださる人たちが現れています。

やっぱり今ファズって、いろんな世代の人たちに注目されているものの1つですね。

ロックバンドをやっていた頃のぼくは、「ファズの音って汚い(ダーティ)けどかっこいい。」というイメージがあって、同時に、自分が使うとなると、「歪ませるときにいつもアレだと扱いにくい。」という理解の仕方をして敬遠していました。

当時はファズのよさを理解してなかった、よさの引き出し方を知らなかったなぁと思うのです。

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さて、画像は、ぼくが手持ちの古いPNPシリコントランジスタです。

通常NPNしか使わないので、これっぽっちしか持ってないです。

オーディオ機器の自作とかやる人なら、2SC1815に対して2SC1015を使ったりとか、極性は反対だけど定格や特性が同等なトランジスタをコンプリ(コンプリメンタリ・トランジスタ)と呼んでセットで使うことがあると思います。

ゲルマニウムとは反対に、古いシリコンはPNPの方があまり流通してないような気がしますが、PNPゲルマと一緒に使う場合は結構便利です。

それは、60年代のヴィンテージZONK MACHINE(ベンダーMKⅠ系)の中には、もともとゲルマとシリコンのハイブリッド仕様のものもあるという話からも頷けます。

音を安定させ、ファズ独特のSizzle(シズル)サウンドを抑える方向に持って行く場合は、2N2907がやりやすくて採用していましたが、何人か試奏してもらってそれを聞いているとやや軽めの印象だったので、多少シズっても、もう少し重量感というか重厚感を増した方がいいかなと思っていました。

例えばBC287だと真逆で、アタックでミジッとか、サスティンでもジュゴ~とかなるけど、音の芯は硬く、重みのある感じになったりするのです。

ストーミーは、ベンダーMKⅡに近いとは言っても回路そのものが多少違うし、使っているゲルマも違うので、マッチングによって各トランジスタがどういう振る舞いをするかは断定できませんが、トランジスタ1つの違いが確実に音になって現れるのは確かです。

まさにアナログ、だからおもしろいとも言えます。

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1つだけ入れてあるシリコントランジスタの再選定&変更も出来、いよいよこれで最終的な微調整も終わった感覚です。

本家トーンベンダーにはMKⅠ、1.5、Ⅱ、Ⅲ(Ⅳ)がありますが、ストーミーは、もしもベンダーに位置付けるとしたらMK2.5と言えるでしょうか。

ゲルマとシリコンのハイブリッドにすることによって安定化を図っていますが、Ⅲのようにダイオードを使ってまでファズ音の安定に特化していませんし、プレゼンス的に利くトーンコントロールを設けていますが、Ⅲのように劇的に利くトーンつまみではありません。

ここぞと言うときだけに踏む過激な効果音としてのファズではなく、かといってベテランマニアが懐古趣味的に自宅でジワるためのレプリカものでもなく、ヴィンテージのよさを下敷きにさせてもらいつつ、それを今常用するとしたらどんなものがよいか、そういう目線で作ったということになります。

ギター用のエフェクターは、現在も足技によるスイッチングで音色をコントロールするのがおそらく主流だとは思います。

でも、そんな中で、手元で絶妙に音色をコントロールしてこそ真に音楽的な表現が手に入れられるといった発想が広まるのってさらに素晴らしく豊かなことだし、面白さを感じますね。

お粗末。(^^ゞ

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2021年3月31日 (水)

3石ファズってどうなの? ⑤

先日無事完成したSTORMY DRIVE FUZZの話です。

ちょっと高値だったんですが、「ん?これって2N404よりいいんじゃないか??」と思われるPNPゲルマニウムトランジスタを見つけたので3個だけ仕入れました。

もちろんストーミーに一番近い回路である本家Sola Sound Tone Bender Professional MKⅡ、Marshall Supa Fuzz、Vox Tone Bender MKⅡといったところはOC75だったり、OC81Dだったりするのは知っていますが、既に希少中の希少でどちらも安心して手に入れられる状況ではなく、あっても恐ろしく高値です。

なので、それ以外で充分使えそうなトランジスタの情報をぼくなりに集めながらストーミーを作っていたんですけど、実はBOSSが先日受注開始して即終了したTB-2Wが2N404を使っているという情報をキャッチしていたので視野に入れていたのです。

実際試してみましたが、ぼくが手に入れた金メッキリードの2N404は正直使いやすくもなかったし、ノイズの面や音味の面でもっとよいと思うのがあったので使いませんでした。

ちなみにBOSSが採用しているらしい2N404は金メッキリードではないし、画像では何だか新しく作られたものみたいにきれいです。

2N404Aというものなのですね。

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というわけで今回見つけたトランジスタは、以前試した金メッキリードの2N404よりうんとよかったし、完成したときに入れていた2SB77を1個だけ交換したときの音がさらにぼくの好きな感じを出してくれたので採用することにしました。

ストーミーは3石ですが、1石ずつ全部違うトランジスタを組み合わせて生まれる音になったということです。

しかし、入れ替える前のままの回路では、設定によって不具合も出てくるようだったので、数カ所見直すことになりました。

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これで8枚目の回路図です。

プレゼンスつまみのポット定数を300kΩに、バイパスコンデンサーの値を0.22μFに、トリムポットを10kΩにそれぞれ交換しました。

はい、ぼくにヴィンテージのそれを再現するという尺度はないので悪しからず。

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古ーいゲルマニウムトランジスタを使った3兄弟、今度はアンプの上に並べて撮ってみました。(笑)

んー、かっちょええ~。

ストーミーのケース塗装はシルバー一色のシンプル仕様ですけど、意外と気に入ってます。

そういえば、画像左のWalkin' Germasterにカットオフ周波数を切り替えるスイッチを付けたという記事を書いた途端、試奏しに来てくださる方々がいて注文が2つ入りました。

こんな古くさい仕様のエフェクターのどこがそんなによかったんだか。

いや、太い音でそれなりに歪んで、ローがタイトで、ボリューム操作やタッチへの追従性が恐ろしくよくて、ONのまま絞ったときのクリーンがアンプ直よりきれいってエフェクター、なかなかないですよね。

ぼくも6年前に初めて作ったときビックリしましたもん。

しかもシリコントランジスタのものより耳に痛くない音楽的な音するし。

それにしてもうちに来てくださるお客さんって本当にありがたくって、お二人とも気長に待っていただけるそうなので、お言葉に甘え、ぼくもじっくり丁寧に作りたいと思っています。

感激!!😆

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2021年3月20日 (土)

3石ファズってどうなの? ④

今回製作しているTr3石のSTORMY DRIVE FUZZは3コントロールつまみの仕様です。

左がVolume、右がDrive、中央下が秘密のハテナです。

いや失礼、秘密ってことではないんですが、なんて言ったらいいか、、、。

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試奏しているうちにやっぱりまだダメだと思い、手直ししてます。

回路図はもう7枚目になりました。

仕組みはシンプルなパッシブフィルターなんですが、接続順やパーツ定数が定まりません。

ヒヤリングだけではダメなのかと思い、計算して組んでみたりもしたんですが、それでもうまくいきません。

絶大な効果があることは確かなんですが、ポットを回したときのカバー範囲や回し加減による振る舞いの変化具合の設定がやたら難しいです。

はい、実は倍音をコントロールしようとしてるんです。

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で、またこんなふうに試奏してヒヤリングテストです。

先日、グロッシーにプリゲインコントールを増設したときはハイパスフィルターをセットにして組み込みましたが、今回は仕組みとしてローパスフィルターになっているというのが回路の正体です。

ブレッドボードの段階で、増幅1、3段目の設定バランスを探っているときに偶然プレゼンスが盛大になる状態を発見したことがきっかけだったので、これをいい感じに整える部分を別で設け、パーツ定数を可変式にしたらすごく使えるつまみになると思ったわけです。

それにしてもこういう原始的な回路に入れるパッシブフィルターって素直な動作にならないことがあるから困っちゃうんだけどおもしろいですね。

今回の場合、ローパスのはずなのにローパスっぽくは利かず、まるでアンプによくあるプレゼンスつまみのように利くんだから不思議です。

修正もこれで4回目、そろそろ基板がヤバイと思いながらでしたが、やっと満足いく設定になりました!

結構ダイナミックに利く設定にできたので、往年のベンダーを彷彿させるガォーサウンドからディストーション並みのハードドライブ、逆にとてもベンダー系とは思えないような歯切れよくシャキッとしたクランチまで、右側のDriveつまみとの兼ね合いやギターのヴォリュームコントロールとの組合せで作れてしまいます。

他のサイトでは、ベンダーやベンダークローンに対して、「ドライブ以外は無理。」とか「絞ったときにフェイスのようなベルトーンにはならない。」と言われていることが多いし確かにそのようですが、ストーミーに関してはフェイス系とは少し風合いが違えど、ちゃんと使えそうなグラッシートーンが出ます。

ただ気をつけなければいけないのは、どこかの動画サイトで「ファズって奥へ引っ込んじゃって音が前に出てこないんですよ。」っていうふうにVOX TONE BENDERを鳴らしながら語られていたんですけど、これは半分本当で、アンプがクランチ以上にドライブされているとそうなっちゃいます。

でも、できるだけクリーン側にセッティングされているとそんなことはありません。

つまりこの手のエフェクターは、後(80年代以降?)に生まれてきた便利でお利口さんなものと同じに考えちゃいけないわけで、美点をどう生かすかはプレーヤーの扱い方次第になってきます。

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さて、トランジスタ1石、2石、3石が自分のオリジナルで揃ったことになります。

いやーうれしいです、素直にうれしいですね。

ゲルマニウムを使ったものとしてはどれもノイズ少ないですし、動作は安定してるし、他のエフェクターとのデイジーチェーンもOKだし。

しかも先月からの一連のブラッシュアップや今月のストーミー製作までレスポールが大活躍してくれたので一緒に画像撮りました。

Tレックスごっこからクラプトンごっこ、さらにはジミヘンごっこからジミーペイジごっこまで、一人で弾いていてもめっちゃ楽しいです。

エレキ用のエフェクターは、ぼくが趣味的にやっていることなのでResonance Guitarsとして販売する予定は立てていません。

でも結局ゲルマスターにしてもグロッシーにしても、試奏した方からオーダーいただいて作っちゃってますし、オペアンプで作ったBell Bottom ODは喜んでSNS発信していたら増産していたにもかかわらず追いつかないくらい販売させていただけたので、ご希望があってパーツが入手できるうちは、、、、、や、やらせていただくかもしれません。

めでたし、めでたし。

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2021年3月19日 (金)

3石ファズってどうなの? ③

まだ不確定なところはありながら、根幹部分が決まってきたので基板作りに入っております。

回路図は実験しながら変更を加えていって現在5枚目です。

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ゲルマニウムTrばかりで作ろうと思うと、不具合のない、しかもマッチングの取れた3石が揃わないといいものにはなりません(個体差が大きいので)。

マニアック趣味でやるなら財布を開き、ある程度たくさんの中から選定していくべきです。

そうしないとノイズ的な問題や、まともな出音はするけどとてもコントロールしづらい音になって、どこをどうすると解決するか(少しはマシになるか)一筋縄では行きません。

そこで、ぼくはグロッシーのときと同様、ゲルマに比べてうんと安定的に動作するシリコンTrで支えてやることにしています。

ゲルマ2石、シリコン1石のハイブリッドです。

これなら少々個体差があっても、動作が良好なゲルマがなんとか2石揃えばOKなんです。(信じちゃダメですよ。)

その時は面白くても、結局使わなくなっちゃうようなものを作るのは嫌なので、実用性をバカにしちゃいけないって思います。

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雑然としてグチャグチャに見えていたブレッドボードもずいぶんスッキリ整理されてきました。

前回記事でTONE BENDER MKⅡの回路が一番近いと書きましたが、バイパスコンデンサの扱い方とバイアス抵抗の値は大きく違い、3コントロールにしている点も違います。

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組み込み作業中の様子です。

必ずWIMAを1個入れるよね。

でもマスタードやEROも好きですよ。

バイアス抵抗値を調節するトリマーポットは3石あっても1つだけ。

グロッシーのときも少し感じたんですけど、今回は輪をかけてあとの2つは固定しておかないと危険です。

誰でも適当に回せるようにしちゃったらそれこそ適当になんていかない、めちゃくちゃになって落とし所がわからなくなってしまいます。😣

軒並み全部表から調節できるつまみにしている製品があるのも知っているし、やたらガリガリ回したがる人がいるのもわかりますけど、コレ、一般的なプレーヤーさんにとっては謎のポットですから、イジるのはエフェクターの出音自体が調子悪くなったときとか、飛び道具的な音にしたいと思ったときだけにするべきだと思います。

そう考えての必要最小限は内部に1つだけじゃないかと今は考えています。

不安なのは3つ目のつまみの動作です。

やりたいことははっきりしてるんだけど、それが充分なものになっているかどうか、結構弾いてヒヤリング判断していたんだけど、まだ半信半疑です。

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ちゃんとしたケースに入れての試奏スタートです。

ウゲッ!

めちゃくちゃイイ!!

やっぱりフェイス系とは似て非なるものですね。

うれしくてかなり弾いてみましたけど大合格です。

ただし、3つ目のつまみの振る舞い方はだんだん不満になってきました。

これの利き具合、可変具合がこのSTORMY DRIVE FUZZのキモなんです。

もともとベンダー系は、左のVolumeつまみと右のAttackつまみの兼ね合いでマジックトーンとも言われる音が作れるわけですが、ストーミーの3つ目のつまみは、右のAttack(Drive)つまみとの兼ね合いでさらにおいしい変化が出せるようにしたいわけです。

というわけで、その改良と正体は次回、、、なのかな。😅

つづく。

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2021年3月18日 (木)

3石ファズってどうなの? ②

突如としてやり始めた3石ファズの続きです。

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たはは、試行錯誤の嵐です。

まともな音が出るようになってきました。

3石をどういう構成にするとよいか。

ノイズ的なこと、音量的なこと、音味的なこと、、、など、どこをどうするとどんな振る舞いをするのか。

思いつくパターンを全てヒヤリングして、まとめるための考えを巡らして、これしかないと決めたらデータに残す。

そんなことを毎日少しずつ繰り返していました。

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ケースに塗装をして気分転換。

最近はラッピング塗装とかキャンディ塗装とかいろいろ流行もあって試してみたい気持ちもありながら、結局は「つまんない奴だな。」って言われそうなくらい激シンプル。

でもね、シルバー一色でも作業的にはきれいにできるとやっぱり楽しいです。

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さてさて、回路の方は課題を1つ1つ丁寧に潰しながらだいぶ整理されてきました。

混沌とした峠は越えた感じです。

あ、自分の好きな音が出そうな名機の回路図5つを参考にしましたが、回路の骨組みとして一番近いのはTONE BENDER MKⅡです。

ただし今回、必死こいて再び反転回路の作成に成功していますので、PNPトランジスタ3石を採用しながらも一般的な+9Vで動作するネガティブグランド回路になっています。

ちなみに1石、2石ならそのまま組んでも大丈夫そうな資料がネット上にあるのでいいですが、3石は辞めといた方がいいですよ。

ぼくはICによる電源反転以外資料が見つけられなかったし、完璧に書けたと思って組んでみたところで、まともな音を出そうと思うといくつもの落とし穴が待ち受けているからです。

名機のクローンを手軽に作りたいという人は、回路図そのままポジティブグランドで作って、電池のみで使用するのがいいと思います。

ちなみにぼくは、クローンを作りたいとは思わない質なので、最終的にどういうものになろうと、つまりヴィンテージに近いからいいとか遠いからよくないとか、そういう尺度だけで考えずに、例えば予備知識なしに使ったとしても、「これはいい。」とか「おもしろい。」って思える内容にしようと戦っちゃったりするわけです。😅

それに、いいものができれば堂々と「ぼくだけのオリジナルです。」って言えますしね。

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塗装したケースに手書きで名前を入れました。

Ameiro Pedal名義のSTORMY DRIVE FUZZと名付けました。

2石で作ったGLOSSY FUZZ(フェイス系)と違って、同じファズサウンドでありながら、やっぱりもっと飽和感があって、太さ、分厚さ、サスティンの長さが増したものになりそうだからです(そういう意味ではベンダー系)。

でも3石ファズでよく言われる「クリーンは無理。」、「ボリューム絞るとモサッとしてフェイスのような輝きはない。」っていうのを覆す企みもあります。

うまくいくかどうか、今はなんとも言えないけど、やる気は結構アリアリです。

つづく。

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2021年3月16日 (火)

3石ファズってどうなの? ①

クラシックロックやブルーズロックファンのベテランだけでなく、最近は特にオルタナ系の若い人たちからもそのグラッシーな音で俄然注目されているヴィンテージスタイルFUZZ。

憧れますよね、あのサウンド。

ぼくは自作の1石ブースター、2石ファズを持っていて、最近も過去記事にある通りさらにちょっとしたアレンジを加えてご満悦だったりします。

でもフッと思ったのですが、1石、2石と作ってみて、さて、3石だとどうなんでしょう。

実は昨年後半からディストーション回路を使ったディストーションを趣味的に考えていて、回路図も第1案ができていたりするんですが、それより何となく3石ファズを作ってみたくなっちゃいました。

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只今世間で高額取引されているヴィンテージファズというと例えばこんなものがあるでしょうか。

そして世界初と言ってもいいエフェクターと言えばマエストロ(ギブソン)のFUZZ-TONEでしょうか。

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これはもう『サティスファクション』なわけですが、それが最初から3石ファズだったという。

今メーカー品だと、国内外を問わずトーンベンダー系のクローンペダルが注目されているようで、静かながら続いていたファズのシーンが60年の時を経て再び熱くなってきていますね。

でも、これはもう調べるでもなく、当時のエフェクターは現在の一般的なものとは電源の扱いからして違っていたり(回路自体+-が逆とかボルテージが違うとか)、とっくの昔に製造が終わっているゲルマニウムトランジスタが極めて入手困難でなおかつ環境(特に温度)によって動作が不安定だったり、盛大なノイズも音の一部として受け入れなければならなかったりとかします。

で、結局後に生まれてきた便利なエフェクターをみんなが使うようになって、一部のファンやマニア以外使わなくなっていったのはある意味当然だと思うんだけど、どうでしょうか。

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だからよけいに不思議というか、その音の魔力たるやすごいですよね。

ぼくもレッドツェッペリン前期のジミーペイジ最高に好きだし、ヤードバーズや当時のジェフベックの音も大好きです。

というわけで、過去の名機達の回路図から学びつつ、自分なりに1枚、2枚、、、と回路図を書いて検討し始めました。

Walkin' GermasterのときはPNP型ゲルマニウムトランジスタ1石を使いながら+-反転回路を書いて成功しました。

GLOSSY FUZZのときはNPN型シリコントランジスタ1石とNPN型ゲルマニウムトランジスタ1石を抱き合わせ、回路を反転させることなくうまくいきました。

つまりどちらも電池であろうとパワーサプライであろうと9V+電源で回路が動作するように工夫することで他の一般的なエフェクターと同じ使い方ができるようにしたわけです。

今回もやるからにはそうしたストレスフリーなものにしたいです。

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とりあえず工房部屋にあるゲルマニウムトランジスタを出してきて、漏電流やhFEを計測、状態をチェックしました。

残念ながら2個死んでいたので、泣く泣く捨てました。

たったこれだけしかないのですが、今や1パーツとしては半端なく高額なので、ちょっとずつしか買えません。

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さて、単純な回路とはいえ3石ともなると、どこをどうすれば気に入った感じになるかヒヤリング実験する箇所が増えるのでブレッドボードであれこれ試し始めました。

んー、音が出ん。

無音、ノイズだけ、蚊の鳴くような出音などなど、あれこれやってみたところでまずまともな出音すらできない有様でスタートです。

でもまあ、こういいうこともずいぶん慣れたので、今回はたぶん挫折せずに行けるんじゃないかな。

と勝手に思っとります。

つづく。

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2021年3月 4日 (木)

ファズも一考 プリゲインをどう考える?

自作のドライブブースターであるWALKIN' GERMASTERにハイパス変更SWを1つ付けることで手持ちのどのギターアンプでも気持ちよく弾くことができるようになりました。

気をよくして、これまた自作のGLOSSY FUZZと弾き比べて悦に入っていたんですが、、、

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ん?あれ??

ストラトだとこれまでのように楽しめるんだけど、レスポールだとかなーりよろしくなくて、ゲルマスターの方が断然いいのです。

主にフェイスやベンダー1.5系で言われる2石ファズのゲイン問題を今更ながらに強く感じてしまいました。

つまり、パワーのあるPUだと「混濁したローが強く出て音がこもる。」「ブーミーになりがちで音が分解せず団子になる。」っていうやつです。

そういえばグロッシー作るときにファズ回路をたくさん調べてみたけど、中でもボナマッサモデルってレスポールでもすごくいい音してたはず。

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ファイルを見直してみましたが、入力部に回路的な工夫は見られません。

そのかわり、hFEが20~50といった低目のトランジスタを使っているのですね。

グロッシーはhFEが50~200のものを使っているのでそりゃ違いますよね。😅

ちなみにグロッシーにある3つ目のつまみはGAIN TRIMと書いていますが、これはループゲインで音の密度感を調整するもので、いわゆるプリゲインコントロールではありません。

作ったときは必要性を感じなかった(ストラトやテレキャスで多く弾いていたせいかも)ので、「どうせポットを1つ付けてギターからの音を低く抑えるんでしょ。」程度にしか思ってませんでした。

でもこのままだと、レスポールではギター側にあるボリュームをフルテンにして弾くことができず、音的にも使い勝手的にもよくないのでちゃんと調べてみました。

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まだ他にもあるかもしれないけど、とりあえずざっと調べてみて目に付いたものを4つほど、グロッシーに入れたらこういうことになるっていう感じで書き直してみました。

  • 例1は、単純にポットを1つ入れて片側をGNDに落としてあるものです。
    まるで可変式の入力インピーダンス抵抗って感じですね。

    インピ抵抗って見ると、めっちゃロー受けで、おそらく電圧が可変してしまうはず。
  • 例2は、高域でもかなり高い周波数をコンデンサでカットしておいてのポット接続。
    このポットはGNDに落とさない電流調整パターン。

    どちらかというとハイはカットするより補う方をやりたいんだけどな。
  • 例3は、ミッド以上をパスできる小さい値のコンデンサをパラレルで追加して、追加量をポットで可変するパターン。
    でもこのポットは2番端子を元からある2.2μFと繋いであるので、ループとして見ると動作はかなり複雑。

    2.2μFがスルーになってるっぽい接続でゲインがちゃんとコントロールできるといいんだけどな。
  • 例4は、他の例よりも大きな値のポットをGNDに落とさずに使って、コンデンサの値を1/10に絞っています。
    ゲイン的にはハイゲインPU搭載のギターでも対応できてしまうかも。

    ただ、コンデンサは0.22μFでもギターのフルレンジをほぼ通してしまうので、どれだけ意味があるだろうか。

結局、どれも参考にはなりましたが、どれかをそのまま採用することにはなりませんでした。

いずれの例も、ぼくの頭で納得できる部分とできない部分が混在しています。

こうなったら自分で編み出すしかありません。

  • ポットを採用し、GNDに落とさず、あくまで2.2μFに向かってシリーズ接続で電流量を調節する。
  • ポットを回して抵抗値が増えてきたとき、全体音量や次第にくぐもってくるハイを補うためのコンデンサを1つ追加する。
  • これまで気に入っていた音味が変わってしまわないようにする。

と、こんなふうに考えながら自分でオリジナル回路をひねり出しました。

ファズ界のことなので、すでに同じ事をやっている人がたくさんいるとは思いますが、今のところ全く同じものは見つけられなかったので秘密にしておきます。

造詣の浅いにわか者が人様に迷惑をかけたら申し訳ないですしね。😩

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例のごとく定数決めのヒヤリングに大いに時間がかかりましたがちゃんと完成しました。

ループゲインコントロールだったつまみをプリゲインコントロールにしたので、ループの方の抵抗値は自分がよく設定するつまみ位置から計測して82kΩの固定抵抗にしました。

ここは100kΩにしてある例がほとんどですが、ダンロップのジミヘンモデルが82.5kΩで近いです。

そして画像上の方に写っている赤いのが追加したコンデンサー。

今回、回路的には狙った効果がバッチリ出ました。

レスポールで弾いてもプリゲインを12時ぐらいにするだけでストラトを鳴らしたときと変わらない使い勝手だし音もかっこいいです!🎶

アップデートされたゲルマスターにも全く引けを取らない仕上がりになりました!!😆

いやー、グロッシーももともと気に入っていたのでホントによかったです。

トランジスタは前段にシリコンを使っているから動作が安定しているし、音は後段に使っているゲルマの味ががっつり乗ってくるので言われなければハイブリッドだとはわからないくらいだし、NPNを使うことで一般的なエフェクターと同じように使えるし、我ながらなかなかの一品なんです。

プリゲインコントロールができるようにしたことで、レスポールのようなハンバッカーPUでもたまらんくらいいい音で弾けるようになりました。

クランチカッティングでもぐしゃぐしゃにならず、切れよく、スズ鳴りが絶品なのです。

めでたし、めでたし。😃

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2021年2月28日 (日)

ブースター一考 ② ~スイッチングで可変~

Resonance Guitarsオリジナルの別ブランドAmeiro Pedalで販売していたBell Bottom ODは思いのほか好評をいただいて、また作らなければ自分用のすら手元にない状態です。

そんなわけで引っ張り出してきた6年前に製作のWalkin' Germaster。

これを8、10インチの小型コンボアンプでもいい感じのバランス、つまり12インチスピーカーを搭載したコンボアンプで鳴らしたときと遜色のない感じで使えるようにしようというわけですが。

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ハイパスフィルター(HPF)のカットオフは、計算するとこんな感じです。

12インチ2発とか10インチ4発の大型コンボ、12インチ4発のスタックアンプといった、つまりミッドローからローが十二分に出るアンプだとCは0.0047μFがちょうどいいんだと思いますが、12インチ1発の中型コンボ?(Blues Jr.くらい)だと0.0068μFがよかったわけですから、今回はCをもう少し大きい値にする方向で探ってみます。

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クリップを使い、パラレルでコンデンサーを付け足す試行を数日繰り返してみました。

0.0022~0.01μFで4種類をとっかえひっかえです。

ブーミーさが顔を出さず、ロー側が削られすぎない最もいい値がわかったので、画像のようにスイッチを増設し、使うアンプに合わせて切り替えられるようにしました。

可変抵抗と抱き合わせにして静電容量を連続可変式にする手もありますが、絶妙な値が決まっていればそんな必要はないし、むやみに音質劣化させてしまうこともありません。

スイッチが下側だとこれまでの0.0068μF、上にすると容量を倍増した0.0136μFになるという具合です。

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0.0136μFのとき、カットオフ周波数は170Hzぐらいになるようです。

比べると100~300Hzあたりの残り具合がかなり変わりますね。

またしても計算が後になってますが、やはり感覚で「これだ!」と思った音が、電気的にどういう動作になっているかを確認するのは挙動の仕方が理解できていいですね。

後々、音と回路を結び付けて考えたり捉えたりするときに役立つ引き出しの1つになったらいいな、とか思ったりします。

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すっきり納得のいく状態でまとまりました。

もともと良くも悪くもRANGEMASTERと何ら変わらない内容でしたが、本家と同型のPNPゲルマニウムTrであるOC44(CV7003)をネガポジ反転回路で動作させることで一般的な他のエフェクターと同じ使い勝手としたり、本家とは全く趣の異なる外観でデザインできた点ではとても気に入っていたんです。

(そもそもヴィンテージは、今とは回路の+と-が逆だし、フットペダル式じゃないので、知識のある人やヴィンテージ機材を崇拝している人でなければ、ヴィンテージRANGEMASTERはおろかクローン品やコピー品でも使いづらくてしょうがない。)

今回は、さらに小型コンボでも音に満足できるスイッチが1つ加わったのでますます気に入りました。

あー、そうですね、こういうこと書いていると自覚させられてしまいますが、ぼくは何かを参考にして作るときでも自分なりにもっとよくするための工夫が多く盛り込めたときほど喜んじゃうタイプです。

反対に機能は少なくシンプルな方が好きなのでやっかいな性分ですけど。😅

それにしても、こんなドライブブースターなら、いろんな人に大お薦めできそうな気がします。

めでたし、めでたし。😄✌

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2021年2月24日 (水)

ブースター一考 ①

年末年始に弄くり回していたギターアンプFender sidekick reverb 25(SK-25)は、振り返ってみるとめちゃくちゃ面白かったし楽しかったです。

もちろん、どうしても感覚的な判断が先になってしまうので、何とかしようと思ったときの理論や計算が後からになりがちでしたが、たくさん学ぶことができました。

どんなに新しいアイデアがあっても、理論や計算が自分なりに必要な分だけ伴わなければ、ある一定の形でモノが成立することはあり得ないと思い知らされました。

ギターアンプに夢中になっているときは、弾くときもアンプ直ばかりになっていましたが、一段落するとやっぱり何かエフェクターをつなぎたくなってしまいます。

エレキだとまずドライブものが試したくなっちゃいますけど、、、けど、、、あ~~自分用のBell Bottom ODがないんだった。

でもまだ手元にはブースターやファズもあるので、久々にWalkin' Germaster(ゲルマスター)を使ってみるです!

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SK-25が来て以来、8、10、12インチスピーカーが揃っています。

ん~~~、ゲルマスターを作った6年前はMATCHLESSとBlues Jr.があって、主にBlues Jr.で鳴らしてたんですよね。

画像のレスポールとゲルマスター、Blues Jr.の3点セットは一度ライブでも使っていて、とても気持ちよく演れた覚えがあるんですが、SK-25やV9158だと「コケーッ!コカーッ!!」って、まるでニワトリかカラスが鳴いてるみたいになっちゃいます。

これがRANGEMASTERやそのクローン、いわゆるトレブルブースターと言われるドライブブースターが一般的にならず、よさが伝わりにくい大きな理由の1つであることがよく分かりました。

もともと入力にハイパスフィルターを構成してローをタイトにするのがお約束で、元祖のRANGEMASTERは0.005μF、68kΩのCRなんですが、ゲルマスターのCは、現在入手するのに一般的な値の0.0047、0.0068、0.0082μFをBlues Jr.で鳴らしながらヒヤリングで0.0068μFがちょうどいいということで決めたのでした。

メーカー製のものも0.0047か0.0068のどちらかを入れている例がほとんどのようです。

スイッチングでフルレンジブーストできる製品もあったので、その例に従って0.033や0.1μFを試したこともありましたが、かなりブーミーになるので気に入りませんでした。

8、10インチスピーカーのギターアンプで、少~中音量でもいいバランスで鳴らせるようにするにはどうしたらいいでしょう。

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ということで、そもそも自分がかっこいいと思って聞いていたトレブルブースターサウンドを聞き直してみることにしました。

あまりCDを持っていないのですが、それでも画像の6枚は出てきました。

ブラックサバス(トニーアイオミ)がないのはちょっと残念な気がするので、どこかで見つけたら買おうかな。

ふ~む、やっぱりいいですね、かっこいい。

たぶんT.REXの『Get it on』や『20th Century boy』はCMとか映画で多くの人が知っているでしょうし、ギターフリークだとクラプトン、ブライアンメイ、リッチーブラックモア、ロリーギャラガーはそれぞれファンも多いでしょうね。

でもなかなかトレブルブースターを使う人はいないっていう。

RANGEMASTERが現役だった当時は、まだエフェクターの種類があまりなかった時代で、アーティストもサウンドの秘密を細かくは明かさなかったからかもしれませんし、今となってはトレブルブースターっていう言い方もすごく誤解を与えてる気がします。

大きなギターアンプを大音量で鳴らした場合、ローの混濁感がなくなり、後に登場するどんなドライブものよりやんちゃで太く抜けのいいドライブサウンドが作れるのにな。

優しく弾いたり、ギター側ボリュームを絞って弾いたりしたときのクリーンなんて、アンプ直のときより美しいベルサウンドが出たりしますから、ある意味万能です。

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RANGEMASTERのハイパスフィルターを計算してみました。

カットオフ周波数は470Hzほどで、100Hz手前から減衰量もかなり大きくなりますから、トランジスタ1石でガツンとブーストしてもローが混濁してブーミーになってしまうのを防いでいるのですね。

減衰の傾きはRの値を変えることで操作できますが、試してみるとかなり大きく変更しないと少しずつしか変わらないので、やはりCの値でカットオフ周波数を調節するのがよさそうです。

つづく。

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2019年11月 2日 (土)

Bell Bottom OD 追いついてないですけど、、、

再び増産のBell Bottom ODです。

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ケースに必要な穴を開けました。

あれ?前とは手順が、、、。

そう、結局できるものは同じなんですけど、きれいに効率よくって考えながらやっていると、いろいろ思いつくことがあるのです。

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塗装しました。

カッパ―メタリックですね。

相変わらずやっかいな塗料です。

実はアクリルクリアとの混合や、焼付処理といった工夫をしているのですが、その方法もレシピが定まってきました。

裏蓋の方は研磨してクリア塗装してます。

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トップ面のデカール、パーツの組付けへと進んでいます。

基板の方はこれからです。

試奏機があるので、現在も試奏希望の方が続いているのですが、同時に商談になったりもして検討中の方が複数名、、、。

とてもうれしいことなので、今はがんばって作り続けなきゃって思ってます。

こつこつ。(^^ゞ

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