ウクレレ

2020年8月 5日 (水)

ウクレレにかっこいいピックガードを

弊工房に富士弦のテナーウクレレがやってきました。

かっこいいピックガードを取付けたいとのことです。

オーナーさんにはイメージがあるようで、GStringのような形状を希望されました。

早速、線を引いて切出していきましょう。

Cimg05652

これ、ジェームス・ヒルのような感じですかね。

材はオバンコールです。

Cimg05662

仮置きしてみました。

いいですね、採寸通りです。

Cimg05782

塗装は希望されませんでしたが、艶々になるまで磨き、一発だけオイルを塗布しておきました。

ん、しっとり、高級感も出ていい感じに仕上がりました。

Cimg05842

両面フィルムで取付けて完成です。

ぼくが作るウクレレ用ピックガードは、指板のすぐ脇は2.5㎜ほどの厚さがあり、端にいくにしたがって薄くなっているスラント形状です。

ウクレレのストラミング(ストローク)は、主にサウンドホールの上あたりでやることが多いので、ピックガードの厚みによって指板との段差が少なくなると、とてもプレイしやすくなります。

それに木製だと、鳴りが悪くなるといったことも起こりにくいのがいいです。

オーナーさん、喜んでくれるといいです。(^^♪

ところで、ピックガードで最も鳴りが悪くなるのは、柔らかくて重みのある素材だと思います。

透明のスクラッチガードなる商品の中にはそういうものもあって、個人的に一度使って失敗したことがあります。

参考になれば幸いです。

| | コメント (0)

2018年4月 4日 (水)

小ぶりな弦楽器のブリッジは

ふむ、お預かりしたこのカバキーニョのブリッジ、かなーり剝れていますね。

Cimg84932
で、たぶんですが、なにがしかの接着剤を入れたようです。

でもやっぱり剝れてきたと、いうところでしょうか。

Cimg84952
完全脱着しましょう。

そうなんですよね、小ぶりな楽器は、手も工具も入りにくいですから、修理するときの難度は自然と高くなってしまいます。

Cimg85052
接着面をともにきれいにしました。

Cimg85062
平滑にはしましたが、もともと薄く仕上げられているトップですから、剝れたときに持っていかれた分、サンディングした分を合わせると、接着面は大変薄くなっています。

そこで、画像のように明かりとマグネットでブレースの位置をマーキングしながら、ブリッジパッド切り出して内部に接着していきます。

特にカバキーニョはスチール弦を張りますから、強度が落ちたままだとまたすぐにトラブルの起きる可能性があります。

Cimg85092
というわけで、今回は4分割したブリッジパッドで補強しつつのブリッジ再接着です。

Cimg85102
できました。

これならまだまだ使えるぞという状態に仕上げることができました。

喜んでいただけるといいです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年11月11日 (土)

マンドリンやってみます

ウクレレやカバキーニョといった楽器も依頼がありますが、今回はマンドリンです。

初めてだと思います。

Cimg79802
Blue Bellの古いものです。

雰囲気あっていいですね。

Cimg79812
それなりに長く使ってきたというだけあって、フレットはご覧の通り、かなり減っています。

Cimg79842
リフレットのため、古いフレットを抜き、指板調整をしました。

Cimg80042
もとのフレットは、バインディングに全くかからない形で端処理がされてましたが、今回はオーバーバインディング処理をさせてもらいました。

ビブラートとかあまりしないかもしれませんが、きっと弾きやすくなっていると思います。

Cimg80052
ナットを再作成します。

もとのナットを外し、スロット内の古い接着剤を削り取っています。

Cimg80062
かなりの量でしたが、すっかりきれいになりました。

Cimg80292
新しいナットを作成し、弦を張りかえました。

とても精度よくできたと思います。

Cimg80302
いい感じに仕上がりました。

ぼくはマンドリンを弾かないので、しかとはわかりませんが、鳴りもUPし、ぐんといい状態になったと思います。

受け渡しのときが楽しみです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年1月 8日 (日)

がんばれカバキーニョ④

リペアをしていて、使い込まれた楽器が持ち込まれると、

「こりゃずいぶん傷んでるな。」

と思うと同時に、

「それだけ気に入って使い続けたからなんだろうな。」

と思います。

この度のカバキーニョも、使い込んであるのが一目で分かったし、お金をかけてでも治したいというオーナーさんの思いが伝わってくる1本なのです。

記事のタイトルが『がんばれカバキーニョ』となったのも、ずっと弾き手を満足させてきたこの1本が、また息を吹き返して甦ってくれることを念じながら作業していたからです。

Cimg70632
いったんナットを取り外し、古い接着剤をきれいに取り除きました。

Cimg70692
ナット形状を修正して圧接着しました。

もとは瞬接系が使われていましたが、タイトボンドにて接着しています。

画像はコンパウンドで磨きをかけようとしているところです。

Cimg70742
ナット修正ができました。

Cimg70702
サドルは再作成します。

ブリッジがしっかり接着できましたし、ネックのストレートも出し直しましたので、元の物より高さが必要になったからです。

画像はピッチ補正山を削り出しているところです。

Cimg70732
元の物だと若干2弦がフラット気味でしたが、上手く補正することができました。

Cimg70722
依頼を受けた全てのメニューが完了しました。

サウンドチェックしてみました。

カバキーニョの音の良し悪しというのは、しかとは分かりませんが、大変きれいな音が工房部屋に鳴り響きました。

預かったときには弦も張れない状態だったけど、

「お前さん、よくがんばって甦ってくれたな。」

と思い、じぃ~んときました。

オーナーさんに手に取っていただくときが楽しみです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年1月 2日 (月)

がんばれカバキーニョ③

新年明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。

ブリッジ再接着を終えたカバキーニョの続きです。

Cimg70482
指板にオイリングし、フレットをハンダごてで温めながら抜いていきます。

Cimg70502
指板調整をします。

指板Rはシリンドリカルの16インチ、やや順反りがきつく出ているので、Rを保ったままストレートを出し直します。

Cimg70522
フレット溝を切り直します。

Cimg70532
新しいフレットを打ちました。

プレスとハンマー併用です。

Cimg70542
高さのすり合せ、端処理を経て、フレット山を作っていきます。

一工程終える度にカラーペンで色を変えながらマーキングして進めています。

Cimg70572
最終の番手まで磨き上げました。

リフレットの完了です。

つづく。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年12月30日 (金)

がんばれカバキーニョ②

ブリッジの取り外しができたカバキーニョの続きです。

接着面同士はきれいにすることができましたので、接着作業に入っていきます。

Cimg70392
アイスキャンディの棒?

じゃないですよ。

AAAシトカの端材から切り出し、厚みを1㎜切るところまで調整してブリッジパッドを作成しました。

実はこのカバコさん、トップセンター裏側に割れ止めが接着されているのですが、ブリッジの裏側+1~2㎝程度は割れ止めやパッドといったものは何もなく、お預かりしたときすでにクラック状態でした。

しかも接着面をいくら整えたと言っても削ったぶん強度的には落ちていますから、このままブリッジを接着するだけの状態より強度を上げ音質を確保しようというわけです。

Cimg70402
接着準備整いました。

上の画像では分かりにくいかもしれませんが、ブリッジパッド、トップ、ブリッジの両端は、針のような小穴を空けてワイヤーでつながっています。

こうすればボディの中に手が入らなくても、いくつもの工具が入らなくても、ワイヤーを巻き上げることでしっかり全体に圧をかけて接着することができます。

Cimg70412
ということで、いざ接着です。

しっかり圧をかけたまま、充分乾燥させます。

Cimg70432
乾燥が終わり、工具を取り外しました。

Cimg70442
反対側からもう一枚。

うむ、うまくいったと思います。

次のメニューへ進めそうです。

つづく。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年12月28日 (水)

がんばれカバキーニョ①

久しぶりにカバキーニョがやってきました。

Cimg70332
とてもいい雰囲気のブラジリアンな一品です。

とても使い込まれていて、弾き傷、フレットの減り、数ヶ所クラック等ありますが、オーナーさんお気に入りの1本なのです。

上の画像では分かりませんが、、、

Cimg70342
ブリッジ後方がほぼ全体的に浮いています。

「一度剝れて、余所で修理してもらいましたが、また剝れてしまいました。」

とのこと。

うーん、この剝れ方とトップの様子、ぼくの想像なので確証はありませんが、おそらく剝れた箇所にPナイフ等で接着剤を挿し入れ、上から少し圧をかけて修理したのではないかと思いました。

つまり取り外してはいない感じです。

修理する側から言うと、小さな楽器はサウンドホールからの目視、工具や手の出し入れといったアクセスが大変困難なので、できればブリッジは取り外しをせずに済ませたいという方も少なくないと思います。

Cimg70352
今回は取り外します。

幸いぼくはウクレレが好きで、自分の持ち物をイジってきましたのであまり苦にしません。

Cimg70362
ふぅ~、外れました。

やはり接着剤は2種類、製造時のものは熱で融けないタイプです。

できるだけトップが持って行かれないように慎重に剥がしましたが、通常のようにはいかないのは仕方ないところです。

あと、画像をよく見ると分かりますが、ブリッジ底面の大きさより、接着用に塗装を剥がしてあるトップ面の方が一回り小さいです。

ギターでも時々ありますが、この場合ブリッジの外周端が塗装に乗っていて、中は接着層が厚かったり空洞があったり、木部同士が密着していないので剝れやすいのです。

Cimg70372
オーナーさんお気に入りの1本です。

完全復活を目指すべく、取り外し時に痛んだ接着面の修復と同時に、ブリッジ底面ピッタリの大きさに塗装を削り取りました。

これで、ブリッジを接着するとき全体を木部同士で密着させることができます。

Cimg70382
ブリッジ底面もきれいにしました。

トップの歪みに合わせて反りもあったので一定のドーミングRも付けておきました。

ブリッジ上部のトップ面の沈み、ブリッジ下部の膨らみも多少緩和させることができると思います。

つづく。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年2月19日 (金)

カバキーニョのリフレット④

リフレットが完了したROGERIO SANTOSの最終回です。

Cimg54412
ナットスロットから古い接着剤を取り除いています。

リフレットのときは、指板調整のためにナットを外しますが、リフレット完了後、もとのナットが使えなくなることがよくあります。

今回も再作成することになりました。

Cimg54422
ナットスロット底面にはシムが挟まれ、微調整に使われていましたので、再作成するからには取り除いて音のレスポンスUPを図ります。

Cimg54432
綺麗にすると同時に、しっかり平面を出し直すことができました。

Cimg54452
ヴィンテージボーン(無漂白オイル漬牛骨)で新しいナットを作ります。

Cimg54492
外形を削り出し、クランプをかけながらタイトボンドで圧接着。

弦の太さに合わせた溝を切って磨きをかけました。

新しいナットの完成です。

Cimg54502
弦高調整のためにもとのサドルを修正します。

Cimg54532
全体に12フレット上で約0.5㎜ずつ低くすることができました。

僅かなことかもしれませんが、特にハイフレットで手に伝わる感触はそれなりに大きく、弾きやすくなったと思います。

Cimg54522
もとの弦を張り直し、全てのリペアメニューを無事に完了させることができました。

ぼくはブラジル音楽には疎いのですが、チャラ~ンと鳴らしてみると、楽器としてとてもいい音色だなと思いました。

お渡しできる日が楽しみです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年2月17日 (水)

カバキーニョのリフレット③

新しいフレットを打ち、フレット端を落とすところまで完了していたROGERIO SANTOSの続きです。

Cimg54302
すり合せをするので、画像のようにカラーマーカーでマーキングをしています。

リフレットとは別になっているところもあるようですが、Resonance Guitarsでは込みです。

Cimg54312
フレット頭がスムーズにつながるように万遍なくすり合わせていきます。

Cimg54322
マーキングカラーを変え、Rの付いたヤスリでフレット山を作っていきます。

Cimg54342
きれいに山ができたので研磨に入りました。

Cimg54352
小刻みに番手を上げていきます。

いい艶が出てきました。

これで終了しても大丈夫です。

Cimg54362
でもResonance Guitarsでは、ここまでやることにしています。

周りの色が映り込んでくるのが目安です。

これで研磨完了です。

Cimg54372
指板端、フレット端はこんな感じです。

指板端は僅かに面取りして丸めてありますので、握ったときの角っこ感(角が手に当たる感じ)がやさしいと思います。

フレット端は、大きく斜めに落とさず、ビブラートなどで指板幅を有効に活用できるようにしてあります。

フレット端の面取りも画像のようにしっかり施しておいたので、慣れればかなり弾きやすいと思います。

小ぶりなカバキーニョでも、レギュラーサイズのギターをやるときと同等のクォリティで細部を仕上げることができました。

次回で最終になると思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年2月15日 (月)

カバキーニョのリフレット②

指板調整が良好にできたROGERIO SANTOSの続きです。

Cimg54202
鋸の深さ調整ガイドを打ち込むフレットのタング長に合わせ、フレット溝を切り直しています。

本体が小ぶりなだけに、一瞬ドキッとする画像に見えてしまいますが大丈夫です。

Cimg54212
フレット溝を良好に作り直すことができました。

この日本製の鋸の切り幅と三晃製フレットタングの厚みは、マッチングが非常によいと思います。

Cimg54232
新しいフレットを切り分けます。

Cimg54242
できるところは全てプレス機で、ハイフレットの一部と全体の微調整をハンマーリングで打ち込んでいきます。

Resonance Guitarsでは、極力ハンマーリングを減らすことで、本体に与えるダメージが少なくなるように心がけています。

Cimg54252
全フレット打ち込みが完了しました。

Cimg54282
ファイルにてフレット端を斜めに削り落としました。

Cimg54292
ハイフレット最終部分は、どうやら欠けているような様子もあったので、滑らかな曲線で面取りしました。

プレイの邪魔にならない形状にして仕上げていこうと思います。

つづく。

| | コメント (0) | トラックバック (0)