ピックアップ

2020年8月 2日 (日)

プリアンプが故障したエレガット

エレアコにしてもエレガットにしても、プリアンプ部分が壊れてしまったら、ぼく程度の者では大抵歯が立ちません。

特に現在は、チップ部品てんこ盛りで非常にコンパクトな作りをしているので、何がどうなっているかを読み解くにも大変な時間がかかるし、わかったところで手が出せません。

多機能なものはなおさらです。

ぼくの業務の本筋はギター本体なので、電装品の修理については、ぼく自身が手がけたものでない限り結局お客さんに迷惑をかけることになりかねないので基本お断りしてますし、今後もそのつもりです。

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MATSUOKAのエレガットです。

プリアンプが故障しています。

オーナーさんとは、メーカー品の新品に交換することや、弊工房のDEOクリアPUに交換して手持ちの外付プリを使うことを提案させてもらいましたが、安価に済ませたいという要望と少々ズレがあったようで、逆に手持ちの別のエレガットからの移植を提案されて今度はこちらが困惑したりしていました。

サイド板の取付穴をどう処理したらいいかを考えると、とても安価にはできないからです。

話せばわかってくれるオーナーさんだったので、最終的にはぼくがやりやすい確実な方法でやるということで折り合いが付きました。

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まずはダメもとでプリアンプ部を分解します。

どうにもならなかったら捨てるという申し合わせです。

他でもこのような例がありましたが、古いものなのでメーカーサポートはとっくの昔に切れています。

こういうの、修理業を営んでいる側も、販売店側も、所有者側も本当に困ってしまうんですけど、どうなんでしょう。

電装品としては仕方のないことなのでしょうが、他のものでいろいろ載せ替えをしたとしても見栄えよくピタッと収まるものがないわけですから、みっともないことになるとすると、まだ充分生きているギター本体を使えないギター、捨てられるギターにしてしまうことにつながりかねません。

本当に勝手な、個人的な意見をこの際書いてしまうと、ぼくはオンボードプリをサイド板に穴を開けて搭載したエレアコ、エレガット商品、、、すみません、嫌いです。

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内部の金属ケースは、ビスではなく、ハンダで固められていました。

中の基板や配線の様子を見るだけでひと仕事なわけですが、今回の場合は開いてみたらすぐに不具合箇所を2つ見つけました。

1つはピエゾ用ジャックのハンダクラック、もう1つはアウトプット用配線材と基板のショートです。

ピエゾ用ジャックは、配線材を使わず基板裏に直接ハンダ付けされていたので、基板をケースに止めるためのビスとジャックを止めるためのビスがハンダ部分を引っ張り続けていたということです。

構造的に問題があると思ったので、配線材を使って結線し直しておきました。

アウトプット用の配線材は、ケースから引き出されていますが、留め具が何もないので、例えば電池を交換する際に引っ張られたとき、もろに配線材とともに基板を引っ張ることになっていました。

アース線は裸になっているので、何度もそういうことが起こったとき、アース線が基板上の触れてはいけないところに触れてしまうようになっていたようです。

これも構造的に大いに問題があると思ったので、ゲル状の接着剤を保護剤代わりに使い、配線材が基板に直接触れないように処理し、結束バンドをくくり付けて、それ以上引っ張っても基板の方に直接ストレスがかからないようにしました。

とりあえず以上でもと通りの出音ができるようになりました。

その他、表のコントロールにはピーキングEQがありますが、それとは別に基板上に半固定抵抗が2つあって、それぞれが回路中の2つコンデンサのかかり方を調節できるようになっていたので、表のEQ±0㏈のときの出音バランスを調整しておきました。

まるでシェルビングEQを利かせるみたいに使えました。

そうなんです、メーカーによって周波数バランスが違うとか、レンジ感が違うとか、ハウリやすさが違うとかいろいろありますが、実は回路の中で各メーカーはデフォルトの音を作り込んでいるということです。

よく見かけるのはローを全体に薄くしてある例で、これはハウリング対策だと思うし、もっと言うとクレーム対策と取れなくもないです。

さて、今回はオーナーさんがぼくに寄り添って考えてくださる方だったので以上のような修理を手がけさせてもらいましたが、うまくいったのは、たまたまパッと見てすぐわかる箇所のトラブルだったからです。

ぼく自身が製作したものでない限り、こうしたプリアンプのような電装品の修理は行いませんので、悪しからずご了承ください。m(__)m

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2019年7月11日 (木)

Epiphone Emperor Swingsterをどこまでチューンできる? ⑦

薄めのボディ厚とはいえフルアコ構造のSwingsterではありますが、エレクトリックパーツは2ハム、1スイッチ、4ノブなので、いわゆるレスポール系と同等の装備です。

元の仕様は、R、FともにトーンポットがSW付で、PU配線のシリーズとパラレルを切り替えられるようになっていました。

さて、これをどうするとよいか、ずいぶんあれこれ考えました。

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で、結局決めたのが、マスターV、マスターT、リヤピックアップV、フロントピックアップVという仕様です。

PUは、パラレルハムバッカーに特化して気に入る音になるように作ってきたので、常時パラレルハムバッカーです。

ストックのレスポール系とは違うけど、シンプルなので慣れればかなり使いやすいんじゃないかと思います。

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組み込んでみました。

銀ラメのノブなんて普段選ばないですけど、今回はギターのキャラに合ってていいなと思いました。

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樹脂製の成形ナットを交換します。

スロットをいったんきれいにして、牛骨で作り直しましょう。

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できました。

質感ももちろんいいですが、弦の配置を自分が弾きやすいようにアレンジしました。

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こちらも弦溝を切り、弦配置とオクターブピッチを整えました。

金属製のABRブリッジとかのように調整幅はありませんが何とかなりました。

今まで3弦が巻き弦になっている.012セットを張っていましたが、今回から3弦がプレーンのエレキ用.011セットにします。

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いやー、手に入れてから1年半経ちますが、ようやく全方位に渡って思ったようなチューンを施すことができました。

もちろん、仕上げるには最終的に弾きながらパーツの共振部分を見つけて対処していくのがこの手のギター特有の手間でしたが、そういうことも少し日数をかけて勉強することができました。

生音は、ギャラギャラの方が目立っていたところにボディ鳴りがドンと加わって激UPです。

PUサウンドも、元のままだとパラレルが弱々しかったですが、扱いやすいパワーで、密度感もグンとUPです。

あと、ナットとブリッジサドルの効果が大きいと思いますが、この手のギターでアームを使うとチューニングが複数の弦で大きく崩れるというのはよくある話のようですけど、かなりくるわなくなって、チューニングが実用範囲で安定するようになりました。

なかなかの1本に仕上がってうれしいです。(^^)/

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2019年1月27日 (日)

フルアコにアコギ用PU

以前からギターのお世話をさせていただいている、地元で赤丸急上昇の弾き語りアーティストU.さんのフルアコがやってきました。

今回は破損したPGの補修も兼ねてマグネットPUの交換です。

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交換するPUは、アコースティック用としては最も薄型のLACEのものです。

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破断した本体への取り付け部分をスクリューで補強し、PU自体もワンオフでプレートを作成し、大きさに合わせた切欠き加工を施して、極めて堅牢な状態でセットアップさせてもらいました。

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ボディエンドには、テールピースの取付補強用にガードがあったのですが、これまた破損していたので、金属プレートで再作成してみました。

これで今後割れ欠けるということはまずないだろうと思います。

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じゃーん、完成です。

ところで今回のマグネットPU、結構出力ありました。

組付けの仕上がりがとてもいい感じにできたので、喜んでもらえるといいです。

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2019年1月 3日 (木)

Epiphone Emperor Swingsterをどこまでチューンできる? ⑤

新年明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願い致します。

と、年が明けて最初の記事だというのに、久々に「絶対に真似しないでください!」な内容です。

昨年末に仕入れたPUの続きです。

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まだ一度も使ってないのにバラバラというショッキングな画像ですが、問題はこのマグネットです。

パラレルハムバッカーとして使おうとしているこのPUですが、もともとハイパワー系のものですから、マグネットもフェライトの分厚いものが入っていました。

やはり磁力も強いです。

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そのままだといくらパラレル配線にしたからといっても思うような音味にはならないだろうということでマグネットを交換します。

今回はアルニコ4を用意しました。

2や5を使ったものはよくありますし、3も時々ありますが、4はあまり見ません。

50年代のGibsonでは、2、3、4が様々に用いられ、60年代になって5も使われたそうです。

当時、特に4は全体の力強さとくっきりした高音の響きが好まれたそうですが、現在リプレイスも含めてあまり見ないというのが不思議です。

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入れ換えて組立てます。

今回のアルニコ4はボビンの長さに近いロングなものです。

スペーサーは、マグネットの厚みのせいで高さが合わなくなったので、ヴィンテージよろしく木材で作り直しました。

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はい、フロント、リヤともに組立て完了です。

ちなみにバーポールピースの方も、まるでFenderのPUのようにスタガードにしてあります。

パラレルで使うなら、きっとこの方がいいだろうと思います。

まだロクに音も出していないのに、なんだか楽しみになってきました。

こんなイタズラ、絶対に真似しないでください。

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2018年12月25日 (火)

Epiphone Emperor Swingsterをどこまでチューンできる? ④

ちょうど1年前に新品で買ったエピフォン・スイングスター。

このブログでの記事も今年の1月に書いて「つづく。」としたまま。

でも、いまだに手放していないし、時々思い出したように弾いて、「これ、どこをどうしてやるといいのかな。」と考えてきたのはホントなのです。

何しろこのギターに関しては、ユーザーさんに出会ったこともなく、ネット上でも、購入したとかライブで使ってみたというブログ記事が2つくらいヒットしてくる程度なので、アレンジの糸口は自分で見つけるしかないです。

実売一桁万円台でありながら、本体はプライウッドによるプレストップではなくて、ソリッドスプルースによるカーブドトップが奢られています。

すると、各部パーツや電装系のグレードUPがねらい目なはずです。

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このギターだけ弾いているとこんなものかな?と思ってしまうかもですが、他のエレキといろいろ弾き比べていると、明らかにPUサウンドはイマイチのような気がします。

トーンポットがプッシュ状態だとパラレルハムバッカーなのですが、パワーもかなり低く、調整したところで音の輪郭もぼやけ気味。

これなら多少ノイズにやられてもコイルタップの方がマシなのですが、計測してみると、画像のように直流抵抗値がリヤで2kΩを切ってしまっています。

同じパラレルハムバッカーのフィルタートロンでは、リヤで4.8kΩですから、どうりでという感じです。

多少磁力の強いマグネットを使ったとしてもミックスポジションでは1kΩを切ってしまうでしょうから苦しいですね。

ストラトのヴィンテージ系PUによるハーフトーン時でも3kΩ前後はありますし、アコギ用のパラレルハムバッカーだって1kΩ台後半ありますから、どう考えてもエレキとしては弱過ぎです。

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トーンポットをプル状態にするといわゆる普通のシリーズハムバッカーになります。

計測すると7.75kΩでした。

ヴィンテージ系PUだと8~9kΩくらいのが多いはずですから、パワー的にはパラレル時より違和感がないのですが、これまたスイングスターのキャラを考えるとあまりに普通なハムバッカーサウンドで、スプルーストップのフルアコゆえ、余計にナローな音になっている感じです。

はてさて、どうしたもんだか、、、、、。

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もういつ頃からだったか忘れてしまいましたが、とにかくPUはいつか交換しようと思っていて、でも、どれにしようか延々考えたままなかなか決まりませんでした。

でもやっと決まったんです。

じゃーん、国産GOTOH製(ペグとかのゴトーじゃないです。)のPUです。

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しかもラインナップ中最もパワーのあるHB-Distortionというモデルにしました。

つまりシリーズ接続は捨て、パラレルハムバッカーとして使うことを前提にしたわけです。

GOTOHのPUは、数あるブランドの中でも比較的安価に購入できるものですが、これは直流抵抗値が、リヤ、フロントともに、ぼくが欲しかった値に極めて近かったし、エスカッションに取り付けるための羽の形状が、他とちょっと違っていて、しなったりたわんだりしにくい形状になっているんです。

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リアのシリーズ時を計測しています。

15.43kΩで概ねカタログスペック通りです。

単純計算をすれば、パラレル時はこれの1/4程度になるはずです。

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おー、いいですね。

パラレル時は、リヤで3.86kΩでした。

フィルタートロンより下で、ストラトのハーフトーンより上という、ぼくが狙いたかったところにほぼきています。

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今回計測したものを表にしておきました。

マグネットPUの音は、コイルの巻き数や磁力だけでなく、巻く線材や巻き方による線間容量、磁石の種類や配置による磁界の作られ方等でも変わってきますから、こういう数値はあくまで1つの要素、目安程度のものです。

でも、HB-Distortionのコイルターン数からすると、パラレルハムバッカーとして使うのに大変好適ではないかと思いました。

同じリヤ同士、フロント同士でも、2つのコイルの抵抗値に差を付けてあるのも良いです。

ハムノイズがバッキングされ過ぎて、ギター音の高域が失われないようになっています。

さて、面白くなってきましたよ。

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2018年12月23日 (日)

クラシックガットにDEOクリアPU

弊工房にマニュエル・コントレラスがやってきました。

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画像は、ブレース位置を確認しているところです。

はい、PU(ピックアップマイク)を搭載したいということで、弊工房オリジナルのDEOクリアをご指名いただきました。

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クラシックスタイルは、まず生音が全てという考え方から本体への大きな加工がためらわれますし、スパニッシュスタイルと構え方も違いますから、アコギのようにお尻に穴を空けず、画像のようなアタッチメントをワンオフで製作して対応させてもらうことになりました。

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今回は配線を6弦側に出しました。

かなりスマートに、良好な取付ができました。

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接続は、エレキやアコギでよく使う1/4フォン端子ではなく、RCA端子です。

シールドケーブルもワンオフで作らせてもらいました。

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ついでにこんな要望も。

基本クラシックガットはポジションマークがありませんが、オーナーさんは5、7フレットにシールを貼ってみえました。

演奏本番というときに剝れたことがあるというエピソードも伺い、白蝶貝でドットポジションを入れさせてもらいました。

受渡しのとき、大変喜んでいただけて、ぼくも職人として大変光栄でした。

早速演奏活動で使っていただいているようで、ご本人の熱意が伝わってきます。

Aisyublog
https://aisyuuguitar.blogspot.com/2018/12/blog-post_15.html

オーナーさんのブログ記事です。

PUについて書かれている中で、DEOクリアPUについても触れていただいています。

Aisyutube
https://www.youtube.com/user/GuitaristofGifuMrN/featured?disable_polymer=1

オーナーさんの動画チャンネルです。

これからDEOクリアPU搭載後の演奏が増えてくるかと思うと楽しみです。

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2018年10月17日 (水)

あれやこれやと

もう10月も半ばなのですね。

本当におかげさまで、それなりに忙しくさせてもらってて身に余る光栄といった日々です。

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DEOクリアPU、相変わらずコンスタントに好評です。

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上画像のAyersやMartinに取り付けさせてもらいました。

また、オーダーの方もLEOCASTERの準備に取りかかっていたり。

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1Pのパイン材です。

そうなんです、これがないと作れないんですが、以前の仕入れ先がパイン材を取りやめてしまい、他でやっと見つけました。

ただしそこも在庫はなく、ひょっとしたらLEOCASTERはもうこれが最後になるかもしれません。

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この他にもアコギのちょっとした調整を3本ほどさせていただいたり、上画像のようにエレキのPU交換(69年製のバーガンディ)をさせていただいたりと、なかなか充実しております。

あとはやっぱり、こちらが配慮して施しておいた部分に気付いて喜んでくださったり、こうして一人で奮闘しているのを励ましてくださったりと、温かく応援してくださるお客さんにばかりにお世話になれて幸運だなと思います。

ますますがんばれそうです!

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2018年8月10日 (金)

新岡先生来訪!

「新岡ギター教室」と言えば、ご存じの方も大変多いと思います。

もともとギター講師をされているのは当然ですが、おそら15年以上前からアコギにまつわる様々なことをWeb上で紹介されていて、ぼくも多分10年以上前から読ませていただいていたはずです。(スミマセン、年数は大変大雑把です。)

また、現在はSKYSONICピックアップやAyersギターの開発に携わっていることでギターフリークに広く知られている方です。

そんな新岡先生が、弊工房レゾナンス・ギターズに来られるということで、ちょっとキツネにつままれたみたいというか、夢みたいというか、ぼくのやっていることに何か興味を持ってもらえているとしたら大変光栄だと思いました。

実際、ギターオタク話満載だったわけですが、とりあえずここでは、新岡先生が手掛けてみえる商品の一部を簡単に紹介してみます。

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アコギ用PU、SKYSONICです。

画像右がT-902です。

比較的搭載が容易で、マグネットPU主体ですが、グースネックの付いたコンデンサマイクの音をブレンドできます。

画像左がPro-1です。

マグネット、コンタクト、コンデンサの3つをブレンドできるすごいやつですね。

SKYSONICピックアップ、弊工房でも取扱いできますよ。

特に地元の皆さん、興味があったらお尋ねください。

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T-902の裏側です。

電池ホルダー、マスターV、コンデンサマイクVが付いています。

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こちらはPro-1の裏側ですね。

これもやはりマグネットPU本体に全てのコントロール系がまとめられています。

さすがメーカー製ですね。

そしてサウンド面について、新岡先生のアドバイスがかなり入っているというところが見逃せないポイントではないかと思います。

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こんなカポも紹介です。

SHUBBはもうすっかりおなじみのブランドなんですが、Fine Tune Capo F1という新しいものです。

使ってみましたが、開放弦が全くくぐもらない、チューニングし直さなくてもいいくらいピッチがくるわないというこれまたすごいやつでした。

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しかし、画像からも感じられると思いますが、カポとしてはちょっと高価です。

置き忘れたり、なくしたりしないような一工夫がいるかもしれません。

でもこの性能は捨て難いです。

地元でも、演奏スタイルを問わず、カポを使ってライブをしている方々をよく見かけます。

これ1つ手に入れることで、曲間に起こる煩わしさや、ピッチがくるったまま演奏せざるを得ないもどかしさから完全開放されたら、ライブそのものが変わる可能性があります。

このカポも弊工房で取扱いできます。

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お互いのギターを持ってワンショット。

新岡先生が持っているのは弊工房製Akanesora、ぼくが持っているのはL-00スタイルの新岡モデルType-Bです。

あっという間の3時間、まだまだお互いに話したいことがある3時間でした。

「吉野さんの作るギターには和音感(ハーモニー)がある。」

直にお話できるだけでも光栄なのに、いろいろ弾き比べながら真顔でそう言われて衝撃でした。

作るギターの形や構造が変わらなくても、ここに一削り入れるか入れないか、ここは接着剤を足すか足さないか、この段階で研ぎを一発挟むか挟まないか、いちいちその時点でのベストを尽くしているつもりなので、そういった微妙なことの積み重ねで、より自分が思う音に近づこうとしてきました。

製作経験の浅い半人前ですが、ぼくにもやっぱり職人魂はあるのです。

それにこれは、自分の音感との勝負という側面もあると思います。

なんだかとても励ましてもらえたひとときでもあったように思えて、強く心に残る出来事でした。

新岡先生、わざわざ来訪いただき、ありがとうございました!

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2018年7月22日 (日)

出番に備えて ②

68年製Gibsonレスポールスタンダードの続きです。

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レスポールファンの間ではよく知られている通り、もともとはP-90だったそうで、それをずいぶん以前にザグって、ハンバッカーへとコンバージョンしてあったそうです。

これは57クラシックなのかバーストバッカーなのか、音的には何となく57クラシックっぽいように思いました。

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はい、交換しました。

ベアナックルのThe Muleです。

エイジド加工品なので見た目も激渋ですね。

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最後にブリッジ駒をブラス製の溝無しに交換します。

溝は指板端の余剰分やPUポールピースへの当たり具合を総合的に見て、このギター用にカスタムで刻みます。

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PUの高さやポールピースのバランス取り等を終えて完了です。

最終的には、ブリッジ、ミックス、ネックのどのポジションでも、統一された音色の中でそれぞれの旨味を描き出すのがキモだと心得ています。

それにしてもちょっと驚きました。

The Muleは、ぼくが手持ちのレスポールタイプだとイナタくなり過ぎて決定打にならなかったのに、このレスポールではとてもマッチングがよく、「これぞヴィンテージサウンド!!」って言いたくなるような出音でした。

もちろん依頼主さんにもバッチリ喜んでいただくことができました。

OK!

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2018年7月16日 (月)

FGを大胆レストア ⑤

アコギピックアップの相談や依頼が続いている今日この頃のレゾナンス・ギターズです。

ぼくはけしてピックアップのことに長けているわけではないのですが、とりあえず弊工房オリジナルのDEOクリアPUは好評いただいているので、感謝の気持ちでいっぱいです。

さて、FG備忘録、まだやるのかと言われそうですが、もうちょっと続きがあります。

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これ、独特ですね。

FG-350Eのマグネットピックアップを固定するためのステーです。

はじめは何もせずにそのまま元通りに組み直して出音してみたのですが、弾いていると時々キンッ!とかヒンッ!っていう金属音がするので、何が共振しているんだろうと思ったら、この鉄板でした。

そこで、画像のように、木部が当たるところにはスポンジゴムを、また、部分的に鉛板を貼り付けて鳴かないようにしました。

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不要な共振もなくなりました。

ポールピースの調整はまだですが、この年代としては実にまともな音が出てくれたのでちょっと満足感あります。

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ブリッジ裏はこんな感じです。

画像のように、弦アースは銅箔にボールエンドが乗るようにして取っています。

ローズウッドで増設したブリッジプレートは、もとのプレートと同じ大きさなのですが、比較的小型です。

コンタクトPUの貼り位置は適当です。

というか、コンタクトメインの時とは違って、パッシブミックスのマグメイン回路だと、どこが最適位置だか分からないと言った方が正しいでしょうか。

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交換したポットがソリッドシャフトの物だったので、つまみも交換しました。

オリジナルのつまみが使えないのはちょっと残念。

というか6㎜スプリットシャフトの16㎜サイズで良質なものを探すのは結構難しかったので仕方ないです。

採用したのは、BOURNSの17㎜です。

画像のつまみは、たまたまオーディオ用に使っていた、とてもよい取り外し品があったので。

あ、交換したといえばペグも。

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ノーマルのペグは、大きく、重く、ガタもかなりあったので、実用するにはちょっとつらいなと思いました。

ヤマハは、エレキでもアコギでも、こうしたパーツがオリジナル設計だったりするので、リプレイスパーツが適合せず難しいのですが、今回はゴトーのSG301にしました。

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スタンダードシリーズなので安価ですが、ギヤケースの形がわりと近く、ギヤ比も1:18で好適です。

裏のビス穴は微妙に位置が違いましたので、埋め木して空け直しました。

とてもきれいに交換することができたと思います。

つづく。

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