サウンドメイク

2021年8月 2日 (月)

マイクとの距離をどう取る?

現在は、動画サイトが充実(すでに飽和?)しているので、実に様々なジャンルで欲しい情報が得やすい状態ですね。

この頃ぼくがよく調べる音響機材についても、レビューや比較、批評動画がたくさんあります。

同じ1つの製品でも、動画によっては絶賛されていたり逆に酷評されていたりと、発信者によってずいぶん違う場合がありますし、また特に評価コメントがない動画でも、聞こえてくる音はとても同じ製品とは思えないくらい違っている場合もあります。

マイクについてはこれの最たるもので、「このマイクを自分の持ち得る環境で使ったらどんな感じになるか。」とか、「使い方によってはこんな感じになるだろう。」など想定して、想像力を働かせながら聞くなど、あくまで参考程度の圧縮音源だと理解してないと。

鵜呑みはマズいですね。

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はい、10年来使用のAT2035(右)と新しく手に入れたsE2300(左)です。

どちらも同じラージダイヤフラムコンデンサーマイクです。

もちろん値段も違いますが、使ってみた感じもすごーく違う2本です。

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AT2035は、今でも入門用マイクの定番の1つとして紹介されることが多いようです。

ゲインが高く、S/N比も高いというのはよく言われているみたいで、使っていても確かにそういう感覚が味わえます。

ダイヤフラムは17㎜のカーディオイド、バックエレクトレット型です。

つまり背電極表面に高分子フィルムが貼り付けられているということで耐久性の高いタイプのようです。

ボーカルを録る場合、マイクを手前方向に少し傾けて、口を若干離れ気味にするのが以前からぼくのお約束になっています。

ダイヤフラム正面に真っ直ぐ口を持って行くと、近づけば近づくほど多くの動画サイト音源のように低域をよく拾って籠もった印象の音になりやすいからです。

そんなこともあって、実は今回、純正のポップガードを追加購入しました。

やはり純正ものってメーカーなりにちゃんと考えられているのでしょうか。

このガードの場合、マイクとの距離が適切になりやすいようですし、白いオーテクマークの高さに口を持って行くとダイヤフラム正面からは自然と斜め上に外れ、むしろ好ましいバランスになります。

あくまでぼくの主観なので信じちゃダメですよ。(笑)

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sE2300は、今のところ同価格帯の定番として紹介されることはほとんどないようです。

マルチパターンの1インチダイヤフラム、いわゆるトゥルーコンデンサーマイクです。

AT2035とは違うキャラのマイクが欲しくなって、ぼくなりにかなり検討を重ねてから購入しました。

ゲイン、S/N比ともにまずまずで、特に何も細工することなく素直な使い方をするだけで欲しかったバランスになります。

どうやら、あまりマイクから離れずに録った方が良好で、その点ポップガードとマイク本体の距離がもともと近い設定になっているのがいいですね。

やはり良心的なメーカーは、こうした周辺アクセサリーについて、どの程度かはわかりませんが、おそらく実験、計測を重ねて開発し、自社のマイク性能が充分発揮できるようにしていると想像できます。

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AT2035とsE2300を真横から比べるとこんなに違います。

どちらも純正のショックマウントとポップガードのセットですが、ポップガードからダイヤフラムまでの距離は実測でAT2035が8.5~9㎝、sE2300は5~5.5㎝でした。

両者の差が3~4㎝あるというのは実に興味深くて、AT2035のポップガードなどは構造からしてあえてこの距離になるように作ってあるとしか思えないくらいです。

また、どちらもメタル製ですが、目の細かさも大きく違って、1つの穴の大きさは大雑把にAT用は0.5㎟、sE用は2㎟、編目を構成する線材の太さは実測でAT用が0.5㎜、sE用が0.8㎜です。

以前はグースネック付きの汎用品を長く使ってきましたが、2つの純正品のこれほどの違いを見せつけられると、一度このまま純正品を使ってみて作り手側の意図を音で理解するのも面白そうです。

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2021年7月30日 (金)

REC機材にsE2300加わる

ギター工房の仕事関係のことはFBに書くことが多くなっている今日この頃です。

さて、以前ラージダイヤフラムコンデンサーマイクについて、今自分が欲しいと思うのってどういうマイクなのか、自分なりにずいぶん勉強していたのですが、予算内で願いにかなうのは多分これではないかと思っていたsE2300をようやく手に入れました。

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これですね。

ケースは、ホムセンでちょうどぴったりのを見つけたので、これに入れて防湿庫で保管です。

カラーリングまで合ってるのが驚きです。(笑)

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実測で610g弱、比較的重みのある方です。

この手のマイクの中では廉価な方ですし、定番の1つとして挙げられることはあまりないかもしれませんが、ぼくにとって思い通りのものだったら、これからかなり活躍してくれるんじゃないかと思います。

手に入れてからなかなか使う時間が作れなくて少し日にちが経っていますが、曲の仮録りで試してみました。

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DAWはStudio oneです。

sE2300を使って、チャンネル1つでギターも声も同時に録っています。

いやー、イメージ通りです。

海外サイトの音源まで聞き込んで学んだ甲斐があったと思いました。

10年前に手に入れてずっと使ってきたAT2035は、大して知識もなく、まずは廉価なものの中から欲しい機能が揃っていて比較的耐久性が高そうなものを選んだというだけでした。

自然にバランスもキャラも違うものがもう1本欲しいと思ったのですから、自分にとってはいいタイミングだったと思います。

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ちなみに、まずはMTRで録ってからという時期が長かったせいなのか、マイクプリとコンプのかけ録りをするタイプなのですが、I/OからPCへとなった今でもこの2つはハードウェアを好き好んで使っています。

今回は、sE2300(マイク) → PRE-73Jr(マイクプリ) → 166xs(コンプ) → AR8c(I/O) → Studio one(DAW)で試してみました。

機材の理解が進めば、ラージコンデンサーマイク、マイクプリ、コンプが2台ずつあるので、計8通りの組合せからその時に欲しいキャラ付けが選べるんじゃないかな、選べるようになるといいなと思っているところです。

RNP8380EEはちょっと違うかもしれませんが、ほとんど廉価品ばかりの構成なので、人の参考になるところはないですけど、ぼく自身はRECの楽しみがまた1つ増えてよかったなと思っています。

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2021年7月 8日 (木)

廉価マイクプリアンプ比較

新しくマイクプリアンプを手に入れました。

ぼくはRECにしても配信にしても、マイクをミキサーに入れる前にコンプレッサーを使いたいので、ファンタム電源のいるコンデンサーマイクのためにどうしてもマイクプリアンプが必要です。

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おもしろくも悩ましいのは、どんなブランドのどんな値段のマイクを使っていても、マイクプリによって大きく音が変わってしまうことに気付くと、用途に合わせてタイプの違うマイクプリを使い分けたいって思うようになることです。(笑)

そこで、今回のチョイスはどうなのか、これまで使ってきた手持ちのマイクプリと音や使い勝手がどう違うか確かめようと思いました。

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常連のOsho-Gさんが顔を出してくれたので手伝ってもらいました。

同じ条件で4つ試しました。

  • ミキサー型I/O PreSonus AR8c(約6万円)
  • ART TUBE MP Project Series(約1.5万円)
  • FMR Audio RNP8380EE(約10万円)
  • Golden Age Project PRE-73Jr(約4万円)

この中でTUBE MPだけは電源部も増幅部もかなり大胆に自家改造してあって、もともとは約1万円です。

価格差はありますけど、どれも10万円以内で買えるのでREC機材としては廉価なものばかりです。

1チャンネルあたりで考えるとRNP8380EEが一番高くて約5万円です。

それぞれボーカルとギターを両方試しましたが、4者4様で、意外なほどどれも悪くなかったです。

  • ミキサー型I/O PreSonus AR8cへの直挿しでは、クリアだけど闊達に鳴る感じがよかったです。
    シリーズ中最も下位のモデルなのでインサート端子がないのが惜しいくらいです。

  • ART TUBE MP Project Seriesは、アタックが穏やかで全体的に柔らかい鳴り方をするのがよかったです。
    ゲインとアウトプットの設定バランスで内蔵している真空管の利きを調節できる点がよく、アウトプット優位でスッキリ、ゲイン優位で太さと色っぽさが増す感じです。

  • FMR Audio RNP8380EEは、クリアで素直、脚色のない感じでピシッと鳴るのがよかったです。
    ゲインつまみのみ、フォンアウトのみというのが惜しいのですが、2chでインサート端子も装備している点がよく、ゲインをできるだけ上げめにして使うと生々しい再現が得られました。

  • Golden Age Project PRE-73Jrは、程よいコンプ感と艶を伴いながら、粒立ちの良い、音楽的に気持ちの良い脚色をしてくるところがよかったです。
    TUBE MP同様、ゲインとアウトプットの設定バランスでキャラ変する点がよく、さらにRNP8380EE同様、1chながらインサート端子を装備しているので、コンプレッサー等をセンド/リターンで接続できるというのもよいです。

総じて、とても同じマイクを使っているとは思えないくらい違いを感じたし、それがクォリティの差というよりキャラクターの違いで、AR8c以外の3つをそれぞれ使い分けられそうな感触でした。

こういう機材を時々使う程度のぼくには、とりあえず充分、むしろ贅沢なのではないかと思います。

実は少し前から、鮮やかに脚色してくれるタイプはないかと思って、FORCUSRITE ISA One、WARM AUDIO WA12MKⅡ、Golden Age Project PRE-73MKⅢといったところが比較的手頃な価格で情報も多く、いろいろ調べていたんです。

今回加わったPRE-73Jrは、手伝ってくれたOsho-Gさんの評価もすこぶる高かったし、ぼくも大いに納得できたので選んでよかったと思いました。

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とてもシンプルですが、この価格からは信じられないくらい良い作りです。

入力、出力ともにCarnhill製トランスに換装することも可能なようです。

ぼくにとっては安い買い物ではないので、とりあえずこのまま使っていきます。

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しかしコレ、使っているトランジスタがNEVE1066や1073といった名機と同じ2N3055とかBC184Cを使っているあたり、この価格帯ではなかなか隅に置けない存在かもしれません。

実際、ナチュラル系だと思うRNP8380EEとは対照的な音なので、はっきり使い分けができるのではないかと思います。

実用するときが楽しみになってきました。(^_-)

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2021年4月27日 (火)

2本目のボーカルマイク

昨年、初めてボーカルマイク(AKGのD5)を買いまして、丸1年以上使ってきました。

ま、コロナ禍なので回数は知れてますけど、マイマイクは感染症対策にもいいですね。

買ってすぐに自分の声に合わせたモディファイもして、かなり気に入っています。

若い頃からリハスタやライブ会場で慣れ親しんだ58は、卓の方でかなり調整してもらわないとぼくの声にはマッチしづらかったんだということもよくわかるようになりました。

ところで、以前ここでも記事にしましたが、D5を手に入れたとき、同時に知り合いの女性ボーカリストのためにsEのV7も仕入れたんです。

男のぼくの声だとD5の方が結果的によかったんですが、このときのV7の解像感の高さ、どこまでもスーッと伸びていくかのようなスッキリスムーズな中高域は耳に焼き付いていました。

ここ数年あのビリー・アイリッシュも使っているようです。

ラージダイヤフラムコンデンサーマイクを吟味していてもsEが最終的に気になってしまったり、コスパもよさそうだったりと、ぼくにとっては昨年辺りからどんどん隅に置けないメーカーになってきています。

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そんな折に男性アーティスト(マイルス・ケネディ)シグネイチャーのV7が発売されていたので、在庫もあったし、試しに購入してみました。

V7 MKというモデルで、ビリー・ギボンズシグネイチャーの時と違って、レギュラーのV7から特性をアレンジしてあります。

それは使ってみてもはっきりわかって、まず全体に音の線が太く、低域側に力が感じられました。

反対に高域側は、よどみなく引っ張り上げられるような伸びが大人しめに抑えられた感じです。

でもやっぱりsEっぽいなと思うのは、ザラついて引っかかってしまうようなポイントがどこにもなくスムーズだということと、少々声を張っても飽和するポイントが遠く、帯域を問わず密度感が整っていることでしょうか。

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かなりいい加減な簡易計測ですが、D5 modと比較してみました。

同じ内容をできるだけ同じように歌ったつもりです。

感度はD5 modの方が薄ら高い感じもするけど、ほとんど違わないようです。

ぼくの声だとD5はピーク、ディップが大きく出る帯域があったので、モディファイによって少々整えたつもりですが、V7 MKは何もしなくてもより整っています。

実は大雑把に言うと、パッと歌ってみたときの全体のバランスが雰囲気的によく似ていたので、V7 MKも自分の声に合いそうだと思ったのですが、しばらく歌っているとだんだん違いが見えてきました。

音の線が太く感じるのはV7 MKで、D5 modより低域側に力感があります。

中高域側にキーンと引っ張り上げられる感じはD5 modの方があって、V7 MKはそんなふうに盛ったり助けたりしてくれない感じです。

全体の質感は、V7 MKの方が生声に忠実な印象があって、ドライ音そのものに立体的な奥行きを感じます。

それに対してD5 modは若干スリムで、ホールトーンをよく聞かせる反面、高域側に少し薄っぺらさを感じます。

どちらもスーパーカーディオイドで、ステージでのハウリングポイントをよけるには便利なわけですが、V7 MKはマイク自体がD5 modよりさらにハウリングに強いようです。

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グリルボールを外すとこんなふうになっています。

ダイヤフラム上部は柔らかいスポンジで覆われています。

特に特殊な構造ではないように見えますが、ボイスコイルにアルミニウム、マグネットにネオジウムを使うなど、素材に工夫があるようです。

先日、友人がSHUREのBETA57Aを使わせてくれたことがあり、友人の勘が当たってめちゃくちゃ楽~に歌えてしまったのですが、個人的には若干盛り過ぎな感じがあって、ここまで楽チンじゃなくてもいいかなとは思いつつも、そういう要素が少し欲しいなと思っていたのでした。

V7 MKはそういうタイプではないのかな?と思いながらも、D5 modと取っ替え引っ替え、それこそ本気になって声を張って歌の練習をしていたところ、あるとき急にV7 MKの音が変わってきました。

もう歌っている最中から聴感上でハイ端、ロー端が持ち上がったのがわかりました。

「あ、エージングされてきたんだ。」

「いやー、何だコレは!高域側すごくいい感じ!!」

これがV7 MKの本領だったのですね。

現場で使ってみないと自分にとって本当によいかどうかはわかりませんが、高域側の自然な伸びは大歓迎、低域側の伸びはもう少しマットに抑えてエージング前の感じに近づけたい気がします。

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D5のモディファイをした時にいろいろ学んだのですが、小さな円形の不織布を画像のように取り付けました。

これ、あくまで微調整ですけど、低域側でウォンっていう成分を大人しくさせるのに効果があります。

歌ってみましたが気持ちいいですね。

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簡易計測もしてみましたが、mod前は低域のピークが高域のピークと同じかそれ以上に高く出ていましたが、程よく抑え込むことができたようです。

もちろんこの不織布はペリッと剥がせばすぐ元に戻すこともできます。

充分納得、今回はこれ1発で完了です。

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さて、V7 MKがぼくの2本目のボーカルマイクとなったわけですが、D5とどういう使い分けをしていくことになるか今はまだわかりません。

ただ、本格的なボーカル用ダイナミックマイクとして、価格がリーズナブルであるにも関わらず、やはりかなり素性のよいマイクだということがわかりました。

女声ならレギュラーのV7、男声ならV7 MKが好適。

AKGももちろんそうですが、これからはsEも人にお薦めできそうです。

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2021年2月 4日 (木)

レコーディング用のボーカルマイクを選びたい! ⑦

ぼくがつい自然と好んでしまうマイクの音が、わりとU47タイプの中に多くあるのではないかということについてデータ上で確かめてみます。

ただし前提として、どうやらFETではなくTubeの方に惹かれるということがすでに自覚できています。

TELEFUNKENのサイトでは、該当のモデルについてf特等のデータが見つけられなかったので、まずはNEUMANNから当たってみました。

M147

NEUMANN M147Tube

これは指向性がカーディオイド(単一指向性)のみ、ヴィンテージU47とM49を意識して作られている現行モデルです。

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やはり高域に山2つ、中~低域にかけて少しずつ緩やかに下っていく特性です。

音源もあったので聞いてみましたが、前聞いていたものとは条件が違うのでよくわからないというのが正直なところです。

M149

NEUMANN M149Tube

こちらも同じ系ですが、スイッチで指向性が切り替えられるマルチパターンのモデルです。

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M147とは若干違いますが、チューニングの方向性は同じです。

こちらも音源を聞いてみましたが、ああ、これいいですね、好きな感じです。

やはりこのバランスの取り方がU47系と言ってもいいようです。

SE2300も似ています。

音源も見つけたので聞いてみましたが、これはTubeでないにもかかわらずなぜかいいですね。

トランスレスマイクも増えてきている中、あえて自社デザインのトランスを採用していることに1つサウンドの秘密があるようです。

ふむ、だんだん合点がいく感じになってきました。

こうなると余計に音源で聞いた現行TELEFUNKENダイヤモンドシリーズU47のデータも見ておきたいなーって思ってしまいます。

再び探してみましたが、どうにも見つかりません。

でも検索しまくっていると、思いがけず録音の歴史について綴られた海外サイトにばったり出くわしました。

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TELEFUNKEN U47M

ヴィンテージU47です。

ホンモノってことですね。

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U48の記載もありますから、およそ60年ぐらい前の資料だと思うのですが、f特のグラフを見てみるとこれはもう確信ですね。

記事の文中には、

フランク・シナトラからビートルズまで、U 47のソニック・パフォーマンスはボーカル・マイクとして伝説的です。

どんな信号源でも異常な周波数応答を拡張した巨大な存在感、U 47は60年以上にわたり古典的なソニックベンチマークでした。

U 47MはM7マイクカプセル、BV8出力トランスとVF14真空管を使用しました。

マイクは、その周波数応答の上部ミッドレンジの上昇のために、その明確な音のために有名です。カーディオイドパターンに設定すると、その応答は基本的に40 Hzから15 kHzまで平坦で、4dBシェルフは3kHzから12 kHzまでです。7 kHz の領域はブーストが少なく、シビランスが減少します。

この周波数応答は、U 47がロックンロールの音をキャプチャするのに特に適しています。

と書かれています。

いやはやどうにも、参りました。

今回の『レコーディング用のボーカルマイクを選びたい!』記事も7つ目なんですが、何も知らないなら最初からどこぞのQ&Aで、

「予算〇万円でボーカルがいい感じに録れるコンデンサーマイクが欲しいのですが、何がおすすめですか?」

って超詳しい人たちに聞いて、間違いないところへ一気に絞り込んじゃえばよかったです。

だってこういう浅はかな独学の仕方って、自分の勝手な判断や勘違いがいろんな所に入ってきて、めんどくさいことを積み重ねたのに失敗する典型的なパターンですから。

これも性分だから仕方ないんですけど、マイクの世界はもっともっと深いマリアナ海溝、今更ぼくごときの手に負えるものではないとよーくわかりました。

つまり、ぼくが7記事に渡って書いてきた内容は、プロやマニアの方々だったら、前半の試聴で書いた主観的なことは突っ込みどころ満載だし、後半の知識的なことやデータ的なことは基本の一部として当然知っていることばかりだったということです。

でも個人的な収穫はありましたし、マニアックな部分の入り口だけでも覗くことができて楽しかったです。

今は何とかしてSE2300を手に入れ、自己満足に浸りたい気分なのです。😉

つづく。

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2021年2月 3日 (水)

レコーディング用のボーカルマイクを選びたい! ⑥

海外サイトの音源で貴重な体験をさせてもらいました。

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自分自身が今欲しいと思うマイクの傾向がとてもよく分かりました。

  1. ヴィンテージを範としたクラシックなサウンドが土台になっているものに惹かれてしまうこと。
  2. 音の輪郭や音像の隈取りを強調するより、音の芯の方に存在感があること。
  3. 弾けるような瞬発力より、鮮やかな描き分けをするタイプであること。
  4. 重心はニュートラルに聞こえるものがよく、低いものはNGであること。

この4つを頭の中でぐるぐる回しながら、購入対象と踏んだC214、AT4040、Origin、SE2200aⅡを思い浮かべたとき、これはもう疑うことなくSE2200aⅡではないかと。

ここに無理をしてWA-87を加えてみてもやはりSE2200aⅡかなと。

もちろんWA-87も調べたところR2になってから、4kHzのピークをフラットに、6~7kHzのディップをむしろブーストして+2㏈ぐらいに修正していますけど、それはあくまでも、よりU87に肉薄するため(実際f特はU87iと瓜二つになった)なので、ぼくがWA-87(R2)より欲しいと思う要素を持っているのはSE2200aⅡで間違いありません。

と・こ・ろ・が!

SE2200aⅡは生産が完了していて、現在はSE2200とSE2300の2つが後継モデルとして販売されています。

う~む、現行品の2つってどう違って、どっちがaⅡに近いんやろ。

音源も探しましたが、わかりやすいものが見つからず判断できなかったし、どうやらSEとしての音味は変更せず継承しているようなので、いよいよここでf特データに頼ろうと思います。

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何とか見つけました。

けど、、、グェ、なんだコリャ!??

f特だけならヘタなレプリカよりU87iに近い!?

これがホントなら、例えばR2になる前のWA-87とか、改造ベースでも有名なMXL2003Aより近いということになってしまいます。

そんなバカな、明らかにちょっとU87iとは違うキャラを持ってましたよ。

やっぱりf特だけで音を語るのは悪い意味でヤバイです。

ん~、まあでもそこを踏まえた上で、まずSE2200はどうかというと、

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あれまあ、2kHz以上の高域処理をかなり変えています。

同じメーカーですからf特以外の音の感触は共通しているかもしれないですけど、これはちょっと違うバランスになるでしょうか。

ひょっとすると少しハイ上がりに聞こえる可能性が無きにしもあらず。

ではSE2300はどうでしょうか。

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あー、こちらの方がaⅡに近いですね。

aⅡを薄ら誇張した感じの高域といったところでしょうか。

見た目では12kHz辺りの山が気になるかもしれませんが、10kHzを超える高域って実際に聞くと「超音波かよ!」って冗談つっこみを入れたくなるくらい高い音ですし、ラウドネス効果という意味でホントに気にした方がいいのはむしろ4kHz辺りの山です。

すると、低域の緩やかな下がり方とも相まって、こちらの方がぼくの好むバランスのようだとわかってきます。

あとこのマイク、上の2つと違って、軸上左右30°ずつくらいまでなら高域においても集音に差が出にくい特徴を持っていることもわかります。

素晴らしい技術ですね。

ということで、ほぼほぼSE2300で気持ちは固まってきているんですが、高域に山2つ、中~低域にかけて少しずつ緩やかーに下っていくf特ってU87属のバランスじゃない気がするんです。

もう薄々わかっていたんですが、ヴィンテージマイクと言われるものの中で、ついついぼくが好んで聞いてしまう音って真空管時代のU47?

ちょっと調べておきたいと思ってます。

つづく。

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2021年2月 2日 (火)

レコーディング用のボーカルマイクを選びたい! ⑤

ここからの記事は、あくまでもぼくが個人的に感じた勝手な意見を備忘録として書き綴っていくだけなので、誰の参考にもなりません。

ぼくは耳が悪くて感じ方も大雑把ですから、決して信じたりしないようご注意ください。

 

☆総評

C214、AT4040は、購入対象になり得る中では定番と言ってもいい2つで、やはりこの音が3万前後で手に入るというのはさすがだと思ってしまった。
でも残念ながら双方ともそれぞれ現用のAT2035と部分的にではあるけどキャラがかぶるような印象だった。
C214についてはちょっと重心が低めに取ってあるバランス的なところ、AT4040についてはメーカーが同じということもあってか音像の存在の仕方そのものが似ているような気がしてあまり興味が持てなかった。
もちろん全体的にはどちらもAT2035の上位に来る音だというのはわかったので、これはあくまで向いている方向性の問題。

そういう意味では、C-1の場合、音の方向性は全く違っていたし、価格を考えると決して悪くはなかったが、音像全体のリアルな再現性という意味でAT2035の上位に来るものではないと思った。

OriginとSE2200aⅡは、購入対象になり得るとは言っても今のところ定番という言い方はされていないと思う。
にもかかわらずこの2機種は上質かつ音の質感が非常に対照的でかなり興味が湧いた。
Originは音の輪郭をカッチリ描き出してくるタイプで、非常に明瞭、しかも前に張り付いてくるようなパンチがある。
対してSE2200aⅡはしっかりした音の芯からふわっと広がりを出してくるような印象で、歯擦音やエッジが程よく抑えられているのにオケ中で存在感を失わない不思議さがある。
画家でいうとOriginはまるでゴーギャン、SE2200aⅡはまるでモネといったところか。(違うか?)
どちらも同価格帯と言える定番のC214やAT4040に全く引けを取らないどころか、欲しい音や好みと合致するならむしろ積極的にチョイスしてもよいと思った。

IFETは、基準機にしたU87i同様、ぼくにとっては絶対買うことのできない高級機だが、50機種聞いた中でもすごく印象に残ったので取り上げてしまった。
太さを伴った生々しい音の存在感はすごいと思った。
冷静に考えると万能ではないかもしれないし、ボーカリストによっては全然合わないかもしれないが、こういう音で録れるマイクがあるということそのものが衝撃的だったし勉強になった。

WA-87は、本家U87iとの違いが僅かで驚いた。
ぼくがヴィンテージのU87を知っていればもっとちゃんとした評価ができたかもしれないし、WARM AUDIOも現在はWA-87 R2という改良版をリリースしているので、価格から言ってもレプリカとして素晴らしいクォリティだと思う。
ぼくの場合、かなり無理をすれば購入対象になるかもしれない。

 

☆番外として

ここでは、あまりに高額なのでどうしてもと言うわけではないけど、たいへん素晴らしい音で録れるマイクだと感心したので、できれば覚えておきたいと思った2機種について書いておきたいと思います。

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CHANDLER LIMITED REDD

U87iとの違いが僅かしか見つけられなかったWA-87よりもさらにU87iに似ていると思ったマイク。
ルックスは真空管の頃のU47やM251風を装っているので意外だったが、目を閉じて聞いているとどちらを聞いているのかサッパリ分からなくなる。
全然購入対象にならないにもかかわらず、気になって何度も繰り返し聞き比べてようやく見えてきたのは、このREDDの方がスッと落ち着いた感触があって、人によっては明確にU87iよりこちらを選ぶのではないかと思ったすごいマイク。

 

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TELEFUNKEN U47

今回比較試聴することができた50本のマイクの中で、価格を無視したときに最も素晴らしいと思った驚異的なマイク。
太さのあるしっかりした音の芯と奥行きを感じさせる音像の作り方、しっとり落ち着いた感じと華やいで鮮やかに鳴る感じが同居していて、音楽的な表現をスポイルしないどころか持ち上げてくれているんじゃないかと思うくらいの印象。
音の輪郭、音像の隈取りを強調しない自然な再現をするタイプだが、芯の密度によってボーカルの存在感がボケることなくクッキリ抜けてくる。

あとで調べてわかったのですが、これはノイマン氏がテレフンケン時代に開発した真空管式U47の完全復刻版なのだそうです。
しかし予備知識なしでも音だけで№1だと思わせてしまうなんて、なんちゅうマイクや。

以上、ようやくこれで気が済みました。😁

思いの他しんどい作業だったので、もうしばらくはこんなことしたくないというのが正直な感想です。

でも、とても勉強になったのは確かですし、劣化してきている耳(と言っても年相応ですよ)でも、聞こえる範囲内でどう感じ取っていくとよいかを試すいい機会になったと思います。

おかげで現用のAT2035より好みの音で録れそうなマイクはどんなものか、自分が好む傾向をはっきりつかむことができた気がします。

次回記事では、自分が選んだマイクについて紹介できるといいなと思ってます。

つづく。

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2021年2月 1日 (月)

レコーディング用のボーカルマイクを選びたい! ④

ここからの記事は、あくまでもぼくが個人的に感じた勝手な意見を備忘録として書き綴っていくだけなので、誰の参考にもなりません。

ぼくは耳が悪くて感じ方も大雑把ですから、決して信じたりしないようご注意ください。

 

前回記事からの続きで、「☆購入対象になり得るものとして」の続きからです。

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AUDIO TECHNICA AT-4040

  • 男声

音の芯は細身でやや薄く、とてもスマートな鳴り方をする。
奥行きはそれほど感じないが、柔らかい感触で広がるのがよい。
繊細なタイプに聞こえる。

  • 女声

スレンダーで美しく軽やかに響く。
しかし、全体の印象は決して軽くはなく、重心はむしろやや低めで土台をしっかりさせた上での音作りに思える。

 

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SE ELECTRONICS SE2200aⅡ

  • 男声

程よい太さとニュートラルな重心。
少し音像が膨らんでくるような、広がりを感じる鳴り方をする。
音の輪郭に柔らかさがあるのか、爽やかな明るさが伴ってくるようなキャラクターを持っている。

  • 女声

表情豊かに歌っているボーカリストの姿が連想される。
全体に落ち着いたメローな感じと、軽やかに華やいで広がる感じが同居していて興味深い。
美しい再現ができるマイク。

 

☆個性ある高級機として

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BOCK AUDIO IFET

  • 男声

音の芯がとても太く、低い重心で堂々たる再現をする。
同時に音像も大きいが、オケ中でそれが全く邪魔にならず、奥行きも感じるような鳴り方をする。
ルックスからU47FETのレプリカとわかるが、本家現行の復刻品よりも印象に残る音。
やや暗めでヴィンテージな雰囲気を醸し出している。

  • 女声

太いのに重くならず、やはり奥行きを感じさせる。
パッと聞いた感じナローにも思えるが、オケ中では全く気にならず、とてもグラマスで明瞭に歌う。
すごいマイクだ。

 

☆基準機のレプリカとして

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WARM AUDIO WA-87

  • 男声

太さ、重心、音像等、どれをとってもU87iによく似ている。
違いを強いて言えば、このよく似たバランスの中に少しメリハリの利いたキレを感じる。

  • 女声

こちらもやはりU87iによく似ている。
少しメリハリが利いていることで、声の立ち上がりにパンチが加わり、明るさのある再現になっている。
わからないが、ヴィンテージのU87はこういう音に近いのだろうか。

 

ふぅ、これでようやく絞り込んだ10機種のうち、基準機と番外機以外の7機種について自分なりの評価を残すことができました。

とても陳腐な言語表現でしか書けませんでした。

もっと書けるようにも思っていたのですが、いざやってみるとめちゃくちゃ難しかったです。

重箱の隅をルーペ片手に針先でカリカリと刮いでいくようなミクロ耳でないとわからなかったり、逆に数メートル離れて大きな絵画を味わうときのようにマクロ耳でないとわからなかったり、なんだか鍛えられました。😵

次回記事はここまでのところをまとめて、番外の2機種についても触れて行けたらと思います。

つづく。

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2021年1月31日 (日)

レコーディング用のボーカルマイクを選びたい! ③

ここからの記事は、あくまでもぼくが個人的に感じた勝手な意見を備忘録として書き綴っていくだけなので、誰の参考にもなりません。

ぼくは耳が悪くて感じ方も大雑把ですから、決して信じたりしないようご注意ください。

 

☆基準として

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NEUMANN U87i

50本のラインナップ中で、このU87iがたぶんプロ御用達として最も一般的ではないかと思いました。

もちろんぼくにはもったいないし、絶対に買うことのできない高級機です。

他のマイク音源をいったんU87iの音源と必ず比較して考えようと思いました。

 

☆最廉価なものとして

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BEHRINGER C-1

  • 男声

明るく、全体のバランスとして重心が高くなる感じ。
バンッと前に出てくる鳴り方は悪くない。
やや硬さが耳に付くので、オケ中でも一本調子に響いてしまう感じはする。

  • 女声

やはり前に出てくるのはいいが、一本調子に聞こえてしまうのが残念。
少し大きめの音像で、明るく闊達なところはよい。
こちらでも硬さが耳に付いた。

 

☆購入対象になり得るものとして

Unnamed

AKG C214

  • 男声

繊細な音がするイメージのメーカーだが、思ったより音の芯がしっかりしている。
高域がやや硬質によく響いていると思ったが、オケ中だと意外にも少し暗めの印象になると思った。

  • 女声

切れよく伸びやかに聞こえる。
重心が少し低めで、ダークなすごみがあるように感じた。
しかし、オケ中でハイレンジのどこか、ミッド寄りの一部で情報がスポンと抜けたようになるのが気になった。

 

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ASTON MICROPHONES ORIGIN

  • 男声

一歩前に出てくる少し音像大きめの響き。
明るい鳴り方で全体にやや硬質。
しかしその再現には生々しさがある。

  • 女声

バシッと前に出る。
やはり少し大きめの音像でやや硬質な響き方をする。
しかし、耳に痛い感じはなく、むしろボーカリストがはつらつと歌っている情景が思い浮かぶ。

 

今回はひとまずここまでです。

つづく。

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2021年1月30日 (土)

レコーディング用のボーカルマイクを選びたい! ②

かれこれ2週間以上コンデンサーマイクの情報を集めていたのですが、これだけいろいろな情報が溢れている時代になったのに簡単ではありませんでした。😓

国内はショッピングサイトとか、価格帯やスペックで並べた紹介、お薦め記事ばかりでダメでした。

個人の記事とかだと、購入したマイクについて「とてもフラットで...」とか「23kまで伸びている高域もうるさくない。」といったf特(周波数特性)についてのコメントに偏っていることが多く、参考になるかと言ったら正直ちょっと難しいです。

ラージダイアフラムコンデンサーマイクは、最近の配信用のものはわかりませんが、大抵レコーディングに使われることも想定して作られていると思うので、ほぼ全域で±5㏈以内に収まっているし、ロー端、ハイ端を除くと±2㏈ぐらいに収まっている例がほとんどですから、それこそ1万円以上のものであれば何を買っても「概ねフラット」だと思うのです。

そして「23k」なんてナンセンスですよね。😕

その点サンレコの記事は、気になるモデルが取り上げられていれば参考になります。

「ドンと前に張り付く。」とか「ミッドにサチュレーションを感じる。」とか「オンマイクで録ると密度がぐっと上がるタイプ。」とか、確かに書いた人の主観かもしれないし、他の使用機材や環境によっても変わるでしょうが、f特以外の要素をたくさん書いてくれています。

で、ついに見つけました、海外サイトで。

Herov3

どうやら3年半ほど前のもののようですが、様々なメーカー、価格帯のものをラージダイアフラムコンデンサーばかり何と50本!!

同じ条件でボーカルレコーディングして音源を並べてくれているというものです。

もうね、うれしい反面覚悟してかかりましたよ。

50本のマイク1つ1つに15秒ぐらいずつとはいえ音源が4つ、一通り聞くだけでも200音源、合計50分です。

しかもぼくのようなハンチクど素人だと繰り返し聞かないと違いが見えてこないですから、それこそねらいを絞って重箱の隅をつついていくようなしんどい作業です。

でもね、何日もかかって50本を8本+2本まで絞りましたよ。

  1. 基準として
    • NEUMANN U87i
  2. 最廉価なものとして
    • BEHRINGER C-1
  3. 購入対象になり得るものとして
    • AKG C214
    • ASTON MICROPHONES ORIGIN
    • AUDIO TECHNICA AT-4040
    • SE ELECTRONICS SE2200aⅡ
  4. 個性ある高級機として
    • BOCK AUDIO IFET
  5. 基準機のレプリカとして
    • WARM AUDIO WA-87
  6. 番外として
    • TELEFUNKEN U47
    • CHANDLER LIMITED REDD

これでやっと1/5、でもここからが本当の吟味のスタートという感じです。

ぜぇぜぇ。

つづく。

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