FIND the ストローク DEOEMON にようこそ!

ここはギター工房Resonance Guitarsが、ギターのことや日々の出来事をつづっているブログです。

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TOKYOハンドクラフトギターフェス2023が、5月27日(土)、28日(日)に開催されました。

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沢山の高評価をいただき、ありがとうございました。

東京都墨田区JR錦糸町駅前すみだ産業会館8Fサンライズホール

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2024年2月17日 (土)

ここも大事とわかっていたから

「昔のレスポールはテールピースがアルミ製でとても軽かったらしい。」

これ、いつ知ったんだっけ。

もうずいぶん以前のことなので、20年前ぐらいか?それとも25年ぐらい前?いやはやすっかり忘れてしまいました。😅

弦のボールエンドが止まっているところだから、ペグポスト、ナット、ブリッジ同様に音を左右すると思って、テールピースばかりいくつも買い求めた頃があったのを思い出します。

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何種類試したか覚えてないのですが、最終的に辿り着いたのはDMCでした。

その頃は、とにかく軽くて形が似ているものを取付ければ満足していて、それでよいかどうかロクに検証したりはしていませんでした。

ところが前記事にも書いたように、仕様の似たTokai LS2本の至る所をタップしてみて、交換可能なパーツの中で一番違いを感じたのは何とこのテールピースでしたから、ぼくなりにちゃんと調べてみたいと思いました。

 

83年カスタムショップ

Weight-80s

Tailpiece-80s

とあるマニアさんの調べだと、50年代の本物は27~32gだそうなので、もうこれは別物と言ってもいいです。

F特の簡易グラフはタップトーンです。

やり方によって変わりますが、出来るだけ一定の方法でやったつもりです。

同じカスタムショップでも、アルミに変わってからの近年ものは33~36gなんだそうです。

 

DMC

Weight-dmc

Tailpiece-dmc

さすがDMCですね。

これも某マニアさんからの受け売りですが、60年代は31~36gで少しずつ重くなっていったそうですから、そういう意味では境目の重量ですね。

F特を83年と比べるとミッドからローにかけて大人しくなっています。

 

GOTOH

Weight

Tailpiece

Tokaiの純正はゴトーがついていました。

本物の50年代でもバースト期ではあまり見られないくらい軽いですね。

ラップアラウンドの頃はこのぐらい軽いのもあったそうです。

F特はDMCよりさらにハイ上がりですけど、全体にレベルは高めで鳴りが良いこともわかります。

ヴィンテージライクかどうかは別にして、これはぼくたち日本人が好みそうな特性ですね。

実際に耳で聞いた感覚も、DMCはサスティン短めでマットな響き、ゴトーはキンキンと華やかに響いている感じがしました。

同じ軽量なアルミでも、どうしてこんなにも違うのか。

ここで頭を捻って考えること数万年。😕

柔らかく、用途によっては強度が不十分な純アルミの弱点を補うために、銅やマンガン、ケイ素、マグネシウムなど、他の金属を加えつつアルミ合金は作られます。

つまり、重量に関わらず、どんな製法で作られたアルミ合金かによっても響きが変わるので、厳密にはヴィンテージテールピースの素材そのもののせめて合金番号がわからなければ、本当の意味でそっくりのものを作ることはできないと言えます。

外観のことで重箱の隅をつつくようなことを言ったところで、そもそも、、、ってことです。

ギター工房Resonance Guitarsを営むようになって、拙いながらギター製作も手がけてきましたが、そんな中でぼくがつかんできたのは「小さな積み重ねが確かな違いを生む。」ということです。

そんなレイヤー的な考え方をすると、製作しているギターを結果的に意図する方向へと寄せることができるようになってきたと思うのです。

というわけで、あまり多くはないテールピースのレビューを探して読みながら、久しぶりに1つだけ買い求めてみました。

 

モントルー

Weight_20240217100801

Tailpiece_20240217100801

メーカーによると、

59年の個体を原型とした新規の金型による、いわば究極のレプリカです。微妙なラインのダレ、手作業によるサンディング、裏側のゲート痕等、忠実に再現されております。もちろん現行Gibson等にもフィットします。重量もVintage同様の約30グラム。メッキも当然、銅の下地なしで仕上げてあります。

なのだそうです。

しかし届いたものは重量がDMCと0.5gしか変わりませんでした。

無意味なことしちゃったかなぁと思ったのですが、ところがどっこい、F特を取ってみてビックリしました。

DMCとは全く似てなくて、ゴトーと比べてもさらにハイ上がりです。

というか、超高域がよく出ていて、それ以外はベタ下がりですから、どちらにも似ていないとも言えます。

まずはDMCのまま、改めて弾いてみて、そしてモントルーに交換しました。

DMCがちょっとパサッとした感触で、ミッドなのかローなのか、どこかがちょっと抜け落ちたというか、抑え込まれたというか、そんな音になっていたことがわかりました。

さらに言うと、ゴトーがわりと全域に渡ってキラキラとした金属風味で薄ら包まれたお化粧をされていたこともわかりました。

はい、それくらいモントルーは、弦や木部本体の鳴りと思われるソリッドな音が前に出てきて、それでもキラッとしたハイの輝きも失ってないんです。

ヴィンテージレスポールを自分で弾いた経験が僅かしかないのが残念ではありますが、今のぼくの判断は、断トツでモントルーが57年を弾いたときの感触に近いと言えるし、どれだけ似ているかを別にしても、これはいつまでも弾いていたくなるほどいろんな音が表現しやすいマッチングだと思いました。

相変わらずお粗末ではありますが、最高の気分です!

ヤッター!!🎵😆👍

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2024年2月12日 (月)

ぼくにバーストを語る資格はないです

ばくは1958~60年のG社レスポールサンバーストを自分で弾いたことがありません。

なので、ぼくにバーストを語る資格はないです。

一番近いモノでいうと57年のゴールドトップでしょうか。

ヴィンテージギターを手にしているというバイアスが掛ってなかったと言ったら嘘になるでしょうが、それにしても「こんなに違うモノなのか!!」と、あまりの凄さに衝撃を受けて、約1時間ほど夢中になって弾かせてもらった経験があります。

その他、順不同ですが、30年間近く所有していた83年の59リイシューを始め、70年代後期のパンケーキ、レスポール80、69年&71年コンバージョン、90年代Classic、2000年代50sスタンダードやヒスコレ等々、知り合いのものや楽器店にあるものを弾いた経験もあります。

どれもそれぞれに素晴らしかったのですが、圧倒されたのはやはり57年ゴールドトップ、ともう1つ、人が目の前で弾いているのを聴かせてもらった59年バーストです。

ぼくが若造だったときでも既に3桁万円、今や軒並み4桁万円の品物ですから、最初から自分が所有するレスポールとは切り分けて考えていたと思います。

つまり求めるサウンドをヴィンテージに寄せるというより実用に振り切って、カッティングプレイで満足できるものにするということ。

何だそんなことかと思う無かれ。

時代は、レスポールと言えばハードロッキンな音楽に多用される流れだったため、クリーンやクランチでは、モタつき、混濁、ゴモりが3拍子揃って目立つ印象が強く、そういう音にしかならない、そういう音がレスポールの音だという認識が強かったような気がするのです。

そもそもレスポールで軽快なカッティングをしようなんて使い方がおかしいってな具合です。

なので、バンド活動ではそのほとんどをストラトでこなしながら、家では長年に渡ってレスポールをあれこれいじくることになっていったわけです。

そんなお粗末なぼくですが、それでも57年は違ったと思うんです。

F社のコンボアンプ、クリーンセッティングでもモタつかないし、混濁もゴモりも感じない、それよりもエアー感満載、ニュアンスありあり、大きな音像で分離よくクッキリ鳴ってくるサウンドに惚れ惚れしたんです。

68年に再生産されてから以降のレスポールは、音楽シーンに合わせてなのか資本や工場が変わっていったからなのか、徐々に造りも音も変わっていき、結局80年代以降になってヴィンテージブームが訪れても、到底元には戻せない状態になっていたようですね。

レスポール&メリーフォードの音が好きかと言われればそれはちょっと微妙なんですけど、自分がゴリゴリのハードドライブサウンドを望んでいるわけじゃないのは確かなのです。

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9年前の2015年に転機が訪れました。

ヴィンテージレスポールについて、そこそこの知識がついていたというタイミングもあるでしょうが、G社レスポールからTokai LSに乗り換えたのです。

80年代前期には、既に本家リイシューよりもより良くバーストを再現していると評価されていたTokai。

友人が購入した14年製のLSを触らせてもらったとき、手の届く範囲の価格で、他の国産のものも含めて、何となくではあるけど、Tokaiに確かな可能性を感じました。

画像下のティーバーストがぼくの14年製LS、上のレモンドロップはKodaiさんが昨年購入の16年製LSです。

この9年間で、自分の気に入るようにフルチューンしてきたつもりでしたが、Kodaiさんと様々なディスカッションをするうちに、もっとヴィンテージ風のアレンジができないかと考えるようになっていきました。

もともとある程度ヴィンテージ方向というか、自分が使いやすいアレンジだと自然にそうなっていたわけですが、もっととなると、できる範囲でと言いながらも、あらゆるところに手を入れていくことになりました。

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今、2人のLSがどうなっているか、もともとの仕様の違いも含めて表にしてみました。

至る所に同じようなアレンジを加えていくと、2台の音味は接近してきます。

ところが同時に、いくら同じアレンジを多数施しても、厳然として変えることの出来ない響きがそれぞれにあることも分かってきます。

それが使用されている材の持つ固有のレゾナンスです。

ここで言う「材」とは、もちろん木材のことを言いたいのですが、厳密には、組み合わされているパーツ類や塗料にも影響を受けての結果だということは間違いないです。

それでもやはり、仮に全く同一の作り方をしたとしても、材の持つ固有のレゾナンスはそのギターのトーンを司っていると理解します。

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2台のあらゆるところをタップして、明らかに違いがあると聞き取れた部分について計測してみました。

大きいのはやはり木部でした。

生音で弾いても一応わかりますが、弦鳴りに気を取られるとわかりづらいです。

むしろアンプで鳴らしてやった方がよくわかります。

そうなんです。

ソリッドエレキだからと言って、電子パーツが全てではなく、むしろそのトーンの根幹は木部にあると言ってもいいくらいなんです。

1つだけ金属パーツとしてテールピースの響きに違いがあるとわかりました。

これは本体木部ではなく、交換可能なパーツですが、これまた電子パーツではありませんから、やはりアコースティックな部分が違いを生み出しているようなんです。

これらが、そのギターの持つ本当の声だとしたら、その声で美しく歌えるようにセッティングしてやるのが良い方法の一つだと気付かされました。

間違って良さを殺してしまったら、楽器とは言えなくなってしまいますもんね。

さて、いろいろ考えながらもゴチャゴチャやってみて、果たしてどれだけヴィンテージ方向に寄せてこられたか。

確かに自分内過去最高ではあると思ってますけど、限りなく肉薄するなんてのはどうやっても無理で、やっぱりこれはTokaiなんだと思います。

もっと言うと、同じTokaiでも、本来備えているトーンが違うなら、細かなセッティングの着地点も自ずと違ってくるということで。

はい、ぼくにバーストを語る資格はないです。

お粗末。

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2024年2月 2日 (金)

Aテーパーポットのカーブ補正

PUを交換して、自分的にはG社LP所有時代も含めて過去最高にご機嫌なサウンドになったと思っているTokai Love Rock。

ちょっとした隙間時間にしょっちゅう弾いています。😊

でも弾いているうちに気になることが1つ出てきました。

それはギターVolumeノブ6~8あたりの調節性です。

いくらAカーブ(オーディオテーパー)ポットとは言っても音量が下がり過ぎて使いにくいと思いました。

ちなみにぼくの好みは、少し絞ってもなかなか音量が下がったように聞こえないBカーブ(リニアテーパー)よりAカーブが好きです。

かと言って、ノブの目盛0.5とか狭い範囲で急激に音量が変わるのはいちいち目盛を注視しなければならないので、もう少しアバウトにノールックで回せるものだったら最高です。

ヴィンテージ配線を施しているので、絞ったときのハイ落ちはほとんど気にならずいい感じなのですが、交換したPUがあまりオマケが付いてこないソリッドな音味のせいなのか、わかりませんが目盛9→5へ行くうちに急激な減衰をしているように聞こえてしまいます。

どうしたものかと思い、ポテンショメーターについてゴソゴソ調べ始めてみると、50年代ヴィンテージに使われていたCentralab社のポットについて検証、レポートしている人たちの情報が見つかってきました。

リトアニアの50年代ヴィンテージレスポールギター研究家でレプリカの製作も手がけている方の情報を昨年から興味深く拝見させていただいているのですが、彼はポットについても実測データをUPしていました。

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いやー、めちゃめちゃきれいなAカーブですね。

横軸はVolumeノブの目盛、縦軸はポットの抵抗値(kΩ)、ですが抵抗値は上下逆の方がわかりやすいですよね。

中間位置でカーブの頂点が目盛6あたりでしょうか。

ぼくも手持ちの現行CTS社のポットを実測してみました。

Cts

ゲッ、結構違いますね。

目盛6.5あたりで「く」の字のようにカクッと曲がっています。(他社でもよくある。)

中間位置でカーブの頂点は6.5あたりで抵抗値390kΩです。

同じ6.5の位置でCentralabは355kΩほどだと読み取れますから、CTSで急だと感じたぼくの感覚もあながち間違ってはいなかったようです。

ところで、今はもう新品では手に入らないCentralab社のポットは、「調節性が滑らかで、絞っても輝きを失わない。」ということでマニア垂涎のものだそうで、状態の良いヴィンテージ品は1個〇万円はするのだとか。😲

オーディオ的には音質劣化しか招かないようなカーボン可変抵抗で、しかも消耗品であるはずなのに、こういうものにまで素晴らしいと称されるヴィンテージ品があるのですね。

これはまた別の人で、イギリスのマニアさんがCentralabとCTSの内部カーボン部分を比較できる画像をUPしていました。

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彼によると、「Centralabポットはヘビーデューティな造りでカーボン部分も分厚く回転角も深い。」のだそうです。

なるほど、この画像を見るとそれがよくわかります。

困ったな。😓

現在、比較的手に入りやすいポットの中だと、CTSはヴィンテージスタイルとして最もアテになる良品なんだけど、、、。

そして頭をひねり続けること数千年。😜

いやはや、いろいろ試しました。💦

途中、訳が分からなくなって、これはもうポットを分解して改造できる人とか、ポットそのものを作ることのできる人しか無理かもしれないと思ったのですが、落とし所は意外なほどシンプルなところにありました。

あの滑らかなカーブを再現することは出来なくても、要はフルテンから絞っていったとき、音量が下がっていくスロープ角度を緩くすれば似たような使い勝手になるということです。

Web

はい、回路図を描いてみました。

点線の部分に固定抵抗器を1つ入れるだけです。笑

スムーステーパーってあるじゃないですか。

あれのコンデンサーを使わないだけというやつです。

抵抗器の値は6種類ほど試して、ヒヤリングで決めていきました。

自分にとって最も自然な感覚で使えてよかったものを実測してみました。

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ほう、カーブが薄ら浅くなりましたね。

全体がCentralabみたいになったわけじゃありませんが、ぼくが注目していた範囲は確実にCentralabの角度に近づき、使いやすくなりました。

それから、考えてみると当たり前なのですが、絞ったときの音質劣化が少なくなりました。

どうやらMOD前は音痩せしていたようですが、ヴィンテージ配線をしていることでハイ落ちが抑えられているせいか気付かなかったです。

MOD後は、音声信号がほんの僅かでも固定抵抗を通ることで、可変抵抗のカーボン部分を通って劣化する分を補うので、それほどか細くならずに音量が可変することになります。

自己満足の域を越えませんが、実にシンプルで簡単に補正できる方法が見つかって喜んでおります。

お粗末。

 

※ 今回の記述にも間違いが沢山あるかもしれませんので、安易に信じたりしないよう、くれぐれもご注意ください。

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2024年1月18日 (木)

果たしてハムバッカーをアップデートできるでしょうか

最近、常連のお客さんとの相談で、既製のエレキ用ハムバッカーを2セット、アレンジして組み直すということを行いました。

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元にしたのはGOTOH PICKUPSのHB-Classicです。

常連さんの思いは、

「鮮やかで冴えた感じの音もいいけど、もう少し枯れたイナタイ感じ(ヴィンテージ風)の音にしたい。」

ということだと受け取りました。

彼もTokai Love Rockを所有しているのですが、どうやらぼくのLove Rockの音や、拙いヴィンテージレスポール体験話がやや影響を与えてしまったかもしれません。

どういうサウンドがヴィンテージトーンなのかということについては、ぼくごときが語れる話ではないので、今回考えたことや施したことを中心に書き残すことにします。

ぼくのLove Rockに搭載してきたのはLindy FralinのPure PAFです。

過去、ぼくなりにいろいろな物を試してきましたが、自分が思うヴィンテージ風のサウンドとして納得&使いやすいということで気に入っていました。

某著名なギタリストの方が、

「パッと弾いたとき、ローラーとリンディは多くの人がいい音だと評価するみたいで人気ですよね。」

と仰っていましたが、なるほどそうかもしれないと思いました。

正直、ヴィンテージPAFは、こんなに弾きやすさを感じるPUではないと思います。

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上の画像は常連さん用に組んだものです。

US製のAWG42エナメルコートワイヤーにアルニコ4マグネット、直流抵抗7.67kΩという設定で、57~59年に製造された中でも当時特に好まれた仕様を彷彿とさせます。(アルニコ5は60年頃から)

ただし、コイルタップ用に4芯シールドですから、わざとオープンタイプで仕入れて分解し、これを1芯網線シールドに換装しました。

2つのコイルの大外をくくっていたテープは取り除いたまま、さらに別で仕入れた洋白製のカバーをポッティング処理なしで装着してあります。

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こちらは自分用です。

常連さん用のと同様のアレンジに加えてエイジド加工も施しました。

さて、ヴィンテージスタイルを謳っているリプレイスメントPU全般を見渡してみると、大手メーカーでもコイルにポリコートワイヤーを使っているものがあったり、マグネットはほとんどがアルニコ2か5だったり、カバードの場合でも大抵ポッティング処理されていたりすると思います。

以前、友人と議論になったことがあるのですが、ハムバッキングのヴィンテージスタイルとして指標となっているPAFに近づく方法として、マテリアルを揃えていく方法と、コイルの巻き方やポールピースアレンジ、磁界のコントロールなどで作り込んでいく方法の2つがあるよねっていうことです。

ぼくが気に入って使ってきたリンディはどちらもある程度取入れながら、最終的には経年したPAFをシミュレートしたようなイナタイ感じに粒立ちのよい肌理の細かさや、ちょっとした艶を伴ったスムーズなサスティンが加わったような仕上げになっていると思います。

作り込みによって実用的なオマケが付いてくるタイプです。

欲を言えば、もう少しだけクッキリした線の太さがあったらとか、クリーンでのアタックのコンプ感はいい感じだけど、ドライブのときはもう少しギリッとした強さのあるバイト感があったらとか、そう思わないこともなかったわけです。

ただ、枯れたサウンドに何も脚色がなく、オマケが付いてこないタイプはとてもピッキングが難しく、痛い目を見たことがあります。

そしてこれもまた、素晴らしい音だと思った本物とはちょっと違うよなって感じちゃうんです。

ギター本体とのマッチングも大問題、超難問ですよね。

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そこまで細かいことをぼくごときがいくら考えても埒が明かないですから、思い切って交換してしまいました。笑

ゴトーピックアップの国内評価はあまり芳しくないようですね。

ネット上では例えば、

「音がデカすぎて使いにくい。」

「音が硬くて高域のバイト感がキツい。」

「弦から離すと音像がモコモコ。」

「使ったことないけど安物の印象しかない。」

のように酷い書かれ様。

多少良いものでも、

「悪くはないが、目立った特徴もない。」

「普通のハムバッカーの音。」

音は太くもなく細くもなくみたいな音で音量にパワーがありハムバッカーらしいサウンド 。」

といった程度です。

しかし、海外のマニアサイトにはユーザーも沢山いるようで、

「クリーンでもドライブでもいい音がする。」

「リーズナブルな価格でトーンをアップグレードするには最適。」

「最高品質のアメリカンヴィンテージギターに見られるピックアップと同じくらいよい音がする。」

とまあ、ずいぶん高評価を得ているようです。

どうしてこんなに差があるのかは分かりません。

価格のせいでしょうか。

それとも日本のギターフリークの間には、自国製を否定的に捉えてしまう舶来至上主義みたいなのがあるのでしょうか。

さて、そんなゴトーピックアップですが、今回のHB-Classic MODは自分的に大成功です。

どちらかというとオマケが付いてこないタイプとなりましたが、時間をかけて丁寧に調整していくことでかなり旨味のあるトーンが引き出せたと思います。

  • あまり脚色がなく、剥き出しに近い感じの音。
  • クッキリとした輪郭に太さもあって、音像が少し大きく感じる。
  • ニュアンスに対して素直な反応で、ピッキングのコントロールによって表情を変えやすい。
  • オマケが少ない分、クリーンでは腕前が問われ気が抜けない系。
  • ドライブでのバイト感、サスティン時の肌理の程よい粗さは秀逸で、めちゃくちゃ格好いい音が出る。

総じてイナタイ感じがパサッとした弱さになるのではなくて、枯れ感がありながらもどっしりした音像で強さを感じるサウンドになりました。

そして僅かながらも一応状態の良いPAFの音を複数個知っている身から誤解を恐れずに言わせてもらうと、これは紛れもなくヴィンテージ寄りのサウンドだと言えます。

嬉しくなって、弾けるフレーズを次から次へと夢中になって弾いてしまいました。😅

お粗末。

 

※ 記述には間違いが沢山あるかもしれませんので、安易に信じたりしないよう、くれぐれもご注意ください。

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2023年12月27日 (水)

BlackstarとCarmen Vandenbergの感性②

さて、BlackstarのCV10ですが、これも含めてそもそもStudio10シリーズを持っている知り合いや置いている楽器店が最寄りにないため、なかなか実機での比較が出来ません。

内心、それは最悪どうでもいいことだなと分かってもいます。

ネット上で調べを進めていくと、Carmen Vandenbergが基本的にクランチセッティングを好んでいることが分かってきました。

しかもライブでのメイン機CV30は、12インチ2発のArtist30を元にしながらもわざわざスピーカーを1発に減らし、さらに2台を同時に使いながらもステレオではなく、それぞれISFコントロールをズラしたセッティングにして使っているそうです。

ISFというのはBlackstarの特許らしく、それはトーンスタック回路に入れ込まれていて、デュアルポットで複数のパラメーターを1ノブによる連続可変が行えるようにし、アンプの性格が変わったかのようにコントロールするつまみです。

やはりカルメン・ヴァンデンバーグは高いアーティスト性を備えているようです。

自分の出したい理想の音の感じがあるから機材についてこれほど大胆に、且つ繊細に取組むんだと思います。

彼女がギタリストをしているBONES UKですが、元々はイギリス・ロンドンで活動を始め、現在はアメリカ・カリフォルニアを拠点としているそうです。

テクニックをひけらかすようなややこしいプレイはしていないですが、そのギターサウンドはストレートには来ない感じですね。

非常にスモーキーな、やや抑制の利いた、ファズやオクターバーで切り裂いてくるような、そんな感じを受けました。

カラッと晴れたというよりは、ちょっと薄曇りのようなトーンに感じるのはやはりブリティッシュの血なんでしょうか。

一瞬パンクやラウド系の影響が濃いかなと思いましたが、何曲か聴いていくと意外に土台はブルースな人だとわかりました。

実はCV10の音、クリーンセッティングでとても澄んだきれいな音がします。

そしてドライブSWを押さない限り、ゲインをフルに上げた極端なセッティングをしても広いレンジ感を失いません。

ただし、パーンと弾けて前へ散り飛んでいくようなカラッとした音ではないんです。

アメリカンとブリティッシュが混ざり合ったような印象で、ひょっとしたらここがStudio10 6L6と微妙に違うのかもしれません。

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CV30のメイキング映像から、このアンプシャーシは確かにArtist30です。

おそらくプリ部のどこかだと思うのですが、SW1つ、ポット3つ、ノーマルから可変させてもいいように増設され、マスキングテープで止められています。

調整しようとしている腕はカルメン・ヴァンデンバーグ本人です。

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ところが別のシーンに移ると、あれ?

これは別のアンプシャーシ、Studio10のように見えます。

こちらは増設ポットが4つマスキングテープで止められています。

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このシーンでようやく分かりましたが、どうやらCV30とCV10は同時に打ち合せが行われていたようです。

つまりCV10は、Studio10 6L6の外装だけを変更したものではなく、カルメン・ヴァンデンバーグの意見がある程度反映されたものになっているということです。

彼女のメイン機CV30の方は、BlackstarのHPにも明確にそう書かれていましたが、CV10についてはそういう記述がなくてもどかしかったんですよね。

どこがどう違うかまではわかりませんが、おそらくBlackstarが設定していたアメリカンサウンドの特徴を幾らか弱め、様々なエフェクターペダルが使いやすいように修整されている可能性は高いと思いました。

もしそうだとすると、ぼくにとっては偶然のギフトかもしれません。

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